Research Abstract |
1.雪崩及び地すべり発生地内において,降雪等主要気象観測を引き続き行った。しかし,台風19号や落雷被害を受け満足すべきデ-タは得られなかった。特に今年度は積雪層の断面観測,雪の物理試験を行い,雪崩発生の雪質や融雪機構についての基礎調査に着手した。 なお,雪気象のテレメタリングについては引き続き検討を行う。 2.秋田県で現在1,123の雪崩危険箇所の存在が指摘されているが,これのデ-タ収集を行った。次に発生要因8っを抽出し,県南,県北,全県等の地域特性を主成分分析法を用いて行った。その結果,例えば県南では国道13号線沿いと特別豪雪地帯に集中して多く,前者は緩やかな斜面で被害区域が比較的短いが,後者は急斜面で高標高地の雪が平年でも2mを越す雪深い所で発生し易い等の特徴が判明した。 3.秋田県内の地すべり箇所(265)についてデ-タ収集を行った。これについても発生要因8っを抽出し,主たる4っの地域を選びその発生要因の特徴を整理した。例えば,十和田八幡平方面のものは標高の高い豪雪地帯に分布し,やや傾斜角が急な温泉余土地帯に発生し易いが,男鹿半島のものは低標高地,海岸段丘の急傾斜地にあり,積雪深にあまり関係なく発生する等の特徴が分析された。 4.雪崩危険箇所の資料解析は,山形,秋田,宮城,石川で行った。また,地すべりの資料解析は秋田,福井で行ってきたが,特に今年度は福井で観測装置を整理し,北陸の融雪機構に関する推定式の構築の目処がついた。 5.金沢では,市街地付近で発生した雪崩の運動解析を実施し,雪崩の流下経路に一定のパタ-ンがある事を突き止めた。 6.山形では,杉林内外に降雪検知器を設置して降雪観測を行うと共に,斜面雪圧の推定式に関する検討を行った。
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