1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02610155
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
渡辺 隆喜 明治大学, 文学部, 教授 (50061916)
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Keywords | 民会 / 政党 / 地方自治 |
Research Abstract |
研究実施計画は政党成立期を対象に(1)地方民会の実態(2)自由民権期の政党問題(3)大同団結期の政社問題(4)初期議会期の民党運動(5)全国政党化と支部問題に区分し検討することであった。特に本年度は(1)と(5)を中心とし、作業は(1)国会図書館憲政資料室(2)府県庁(史)文書の調査収集を行っている。 (1)に関していえば、埼玉県中心に「府県制成立期の地域支配」をまとめ民会成立期の地域事情を明らかにした。大久保政権期の府県は多かれ少なかれ、地域の自立性を前提に支配が貫徹するが、この過程で民会形成の機会は全国的に存在した。本年度は民会形成に早期に対応した長崎、広島、岡山県を対象に史料収集につとめた。特に小旧県は広島県立文書館の窪田家文書を中心に、岡山大学所蔵同県下戸長文書を主対象とした関係の旅費、複写代が多いのはそのためである。 (2)については、国会図書館憲政資料室の竜野家文書を複写した。竜野周一郎は長野県出身で、明治20年代から大正期にかけて中央の自由党(政友会)の本部役員、遊説員をつとめており、その記録は近代政党史の展開を知るうえで欠かせないものである。複写費の多いのはそのためである。 その他は収集史料の検討をはじめているが、特に明治10年前後の民会形成期の民会の実態を各県に残された議事録を中心に原稿化をはじめている。実質的民会を形成しようとする在地勢力と、行政的に統制しようとする国家権力との対抗がこの核心をなす。
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Research Products
(2 results)