1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02610196
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
荻野 綱男 筑波大学, 文芸・言語学系, 講師 (00111443)
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Keywords | シソ-ラス / 名詞 / 日本語 / 意味分類 |
Research Abstract |
本研究では、現代日本語の名詞シソ-ラスを作成しながら、語彙の意味分類の多様性についての研究を行なう。 今年度は、まず長期的な設備の整備として、光磁気ディスクを購入し、大量デ-タの保存上の問題点を解決した。 次に、ふたりの研究補助者に依頼して、シソ-ラスの中の語のチェックを行なった。 シソ-ラスの中では、語は、互いの意味関係を通して相互に結び付いている。その結び付きが、システム全体として整合性を保つようになっていないと、シソ-ラスの構造がつかめず、研究の目的である「語彙の意味分類」にまで進むことはできない。そこで、シソ-ラス中の語の意味関係が正しくついているかどうかということは、たえずチェックしていかなければならない大問題なのである。 チェックした項目はいろいろあるが、もっとも多く時間を割いたのは、ある単語Xの上位語Yにさらに同義語Zが指定されているときにXの上位語をZと書き直していいかという問題である。論理的にはそれでいいと考えられるが、実際にそのような例を抽出して検討してみると、単純にいいともいえないことがわかった。そこで、一つ一つの例について検討しながら、上位語を書き換えたり、書き換えなかったりした。今年度は、約5000語についてチェックを行なった。 この作業は膨大な時間がかかる。しかし、これをクリア-しないと、シソ-ラスの記述が全体として有効なものになりえないので、この作業は来年度も継続して行なっていく予定である。
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