1990 Fiscal Year Annual Research Report
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02640273
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| Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
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Principal Investigator |
弘津 俊輔 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (40016069)
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| Keywords | 高分子ゲル / 光散乱 / 表面状態 / 表面張力 / 体積相転移 |
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| Research Abstract |
今年度の研究経過と新たに得られた知見とを、交付申請書に記載した研究実施計画に対応させて、以下に示す。
ゲルの一次相転移の形状及びサイズ依存性の測定
中性及びイオン化したNIPAゲルを用いて、一次相転移温度及び平衡膨潤度を測定した。試料ゲルは、円柱形、球形、立方体、板、等種々の形状と大きさのものを用い、試料の形状及びサイズによる転移温度、膨潤度の変化を定量的に調べた。その結果、イオン化したゲルでは、転移温度及び膨潤度が、著しい形状・サイズ依存性を示すことが確認された。この効果は、ゲル表面の曲率半径が小さいほど強く現れ、表面が平面の場合には消失することも明らかになった。一方、中性ゲルでは、イオン化ゲルとは対照的に、転移温度、平衡膨潤度共に、形状・サイズ依存性はほとんど存在しない事が分かった。
以上の実験結果は、表面での対イオンの挙動を考慮したイオン化ゲル表面層構造の理論的考察と、弾性率及び膨潤度のイオン化度依存性の実験結果から推定される表面張力の数値とから、矛盾なく説明できることが示された。
これらの結果は、平成2年秋の日本物理学会分科会(岐阜大学)・誘電体分科及び高分子分科でのシンポジウムで発表され、現在論文執筆中である。
光散乱による表面励起モ-ドの測定
上で述べた理論的説明の、より直接的な実験的証拠を得るために、光散乱によって表面揺らぎモ-ドの速度及び寿命を測定し、それから表面張力を決定する事を試みた。光子相関分光測定によって、表面モ-ドと思われる伝播モ-ドの存在が見出されたが、測定には非常に微妙な光学調整を要し、十分に再現生のある結果は、現在のところ得られていない。来年度には、実験技術の不十分な所を補い、より一層精密な実験を行う予定である。
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[Publications] S.Hirotsu: "Softening of Bulk Modulus and Negative Poisson's Ratio near the Volume Phase Transition of Polymer Gels" J.Chem.Phys.94. (1991)
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[Publications] 足立 栄希、山本 達之、弘津 俊輔: "フォトダイオ-ドを用いた角度分離光散乱測定装置" 分光研究.
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[Publications] 弘津 俊輔: "体積相転移とゲルの表面状態" 日本物理学会1990年秋の分科会講演予稿集、第3冊535(1990). 第3分冊. 535 (1990)
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[Publications] 弘津 俊輔: "ゲルの相転移とパタ-ン形成" 日本物理学会1990年秋の分科会講演予稿集、第2分冊96(1990). 第2分冊. 96 (1990)
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[Publications] S.Hirotsu: "ShapeーDependent FirstーOrder Phase Transition in Polymer Gels with an Ionized Network" Nature.
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[Publications] S.Hirotsu: "Phase Transition,Spinodal Decomposition,and Pattern Formation in Polymer Gels in “Research of Pattern Formation"ed.R.Takaki," KTK学術図書出版, (1991)
