1990 Fiscal Year Annual Research Report
配位不飽和遷移金属中心の気相反応ダイナミックス:時間分解赤外吸収分光法による配位不飽和遷移金属カルボニルへの簡単な分子の配位過程の研究
Project/Area Number |
02640342
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
石川 洋一 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (00167248)
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Keywords | 時間分解赤外吸収分光法 / 配位不飽和遷移金属中心 / 遷移金属カルボニル / 基底状態遷移金属原子 / 気相配位過程 / 液体窒素冷却cwーCOレ-ザ- / パルス紫外光分解 / Nd:YAGレ-ザ- |
Research Abstract |
本研究の目的は、液体窒素冷却cwーCOレ-ザ-をモニタ-光源とし、Nd:YAGレ-ザ-の高調波をパルス照射光源とする時間分解赤外吸収分光システムの設計製作を行い、それを用いて気相における遷移金属原子の配位不飽和サイトへの簡単な分子の配位過程を実時間で観測することにより、遷移金属と配位化合物との相互作用に関する知見を得ることであった。まず、モニタ-光源として用いる安定性の良いcwーCOレ-ザ-の設計製作を行なった。レ-ザ-媒体である気体(He,N_2,CO等)を流すためのレ-ザ-管(長さ約1.2m、外径3cm、3極放電管、両端の窓材にはCaF_2を用い透過率を良くするためにブリュ-スタ-角で設置)を設備備品として購入し、レ-ザ-媒体フロ-システムに組み込んだ。また、レ-ザ-共振系は回折格子とZnSeミラ-(1"φ×3^t、90%PR/ARコ-ト、3m片凹面鏡)より成るが、モニタ-光の単色性を良くするために、ピエゾ素子、ピエゾ素子ホルダ-、ドライブ用高圧電源、パネルメ-タ-を設備備品として購入し共振長微調システムを製作した。さらに、レ-ザ-の放電電源として直流高圧電源(15kV、20mA)を設備備品として購入した。これは本測定においては反応中間体の時間変化をcwーCOレ-ザ-光のわずかな吸収量の変化から追跡するため、光源のふらつきを約0.1%以下に抑える必要があり、この安定度を自作の電源で達成することができなかったために購入した。現在は、COレ-ザ-の調整を主に行なっている。予備実験においては、W(CO)_6の266nm(Nd:YAGレ-ザ-の4倍波)パルス光照射により、W(CO)_6の分解とともにW(CO)_4の選択的生成が観測され、CH_4を添加しておくとこの配位下飽和な金属中心W(CO)_4にメタンが配位するのが観測されている。今後はシステムの改良を行ない、赤外吸収スペクトルの時間変化を測定し、それを基に配位分子と遷移金属との相互作用や化学結合(CーHやHーH)活性の動力学について研究を進める。
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Research Products
(1 results)