1991 Fiscal Year Annual Research Report
シアノグアニジン-ホルムアルデヒド樹脂液の生分解性と毒性に関する研究
Project/Area Number |
02640410
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
戎野 棟一 東邦大学, 理学部, 助教授 (70057694)
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Keywords | シアノグアニジン / ホルムアルデヒド / 樹脂液 / アミノ樹脂 / 凝集剤 / 生分解性 |
Research Abstract |
昨年度にひき続き、シアノグアニジン(CG)およびフリ-のジアミノメチレンウレア(DU)あるいはビス〔ジアミノメチレンウレイド〕メタン(BisーDU)とホルムアルデヒド(F)とを反応させて得られる樹脂液の毒性と生分解性を検討した。また、DU・HClーF樹脂の凝集性能がCGーF樹脂に比べて著しく劣るのに対して、DUーF樹脂の凝集能がCGーF樹脂のそれを上回る理由についてDU・HClの構造を基にその反応性について考察し、凝集能が単に樹脂液のカチオン性に起因するのではなく、樹脂の高分子量成分が寄与していることを明らかにした。ヒメダカ(Oryzias Latipes Orangeーred Variety)を用いた各樹脂液のTLm値下(72時間)は20、7、20mg/l(CGーF,DUーF,BisーDUーF)であり、魚毒性はDUーF>BisーDUーF>CGーFの順であった。 今年度は^<14>Cで標識されたホルムアルデヒドを用いてCGーFおよびDUーF樹脂液を調製し、BOD値(生動学的酸素消費屋)からだけの生分解試験では、微妙な判定になりがちな低濃度の樹脂液の生分解性の有無を検討すると共に、樹脂液の活性汚泥に対する阻害作用がどのようなメカニズムで発現するのかを研究した。その結果、各樹脂液を至適凝集剤濃度かそれ以上添加すると活性汚泥の内生呼吸が阻害される。一方低濃度の各樹脂液の生分解性は、内生呼吸量を対照としてBOD値を基にするとわずかに正になったり、場合によっては負になったりした。こうした結果と^<14>Cで.標織された樹脂液の結果とを総合すると樹脂液はほとんど分解されないか分解されるとしても極めてわずかであり、^<14>CO_2にまで分解されないものと考えられた。また、これら樹脂液の活性汚泥に対する阻害作用は、樹脂成分が活性汚泥の細胞膜などに吸着するごとに由来すると考えられる結果であった。
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