1991 Fiscal Year Annual Research Report
尿中ポリアミンのTLC分離・誘導体化蛍光分析とその癌診断への応用
Project/Area Number |
02640442
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
一瀬 典夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (60035136)
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Keywords | ポリアミン / TLC分離 / 蛍光分析 / 蛍光誘導体化反応 / 1ーピレンアルデヒド / 癌診断 |
Research Abstract |
1.胃癌,大腸癌,その他の身体の表面から診断の困難な内部癌(肝,膵,卵巣,前立腺など),血液疾病,悪性リンパ腫などに対する従来の検便法および注腸または内視鏡などの臨床検査法に加える新しい一次スクリ-ニング法の確立を研究目的として,"尿中ポリアミンのTLC分離・誘導体化蛍光分析とその癌診断への応用"に関する研究を平成2年度に引き続き同3年度の文部省科学研究費(一般研究C)の補助金を仰ぎ実施した。 2.平成2年度に引き続き,各種ポリアミン混合溶液をTLCプレ-ト上で展開分離したのち,1ーピレンアルデヒドなどの芳香族アルデヒドを用いて蛍光誘導体化し,得られたTLC上の蛍光スポットを島津二波長フライングスポットスキャナ(CSー9000)により連続測定するポリアミンのTLC相互分離と蛍光誘導体化反応を繰り返し実験した。 3.プレ-ト上に展開した各種ポリアミンの蛍光団の蛍光強度は,展開溶媒が気化すると,劣化することが判った。これに再び同じ溶媒をスプレ-すると元の蛍光強度を示した。そこで,プレ-ト上に展開した各種ポリアミン蛍光スポット上に,溶媒が気化しないうちに有機溶剤に溶かしたコ-ティング剤を塗布して薄い皮膜でスポットを被うと,ある一定時間蛍光強度を一定に保持できることが判った。しかし,定量的な段階までにはいたっていない。目下,そのコ-ティング剤について検討を進めている。 1990年の日本分析化学会(第39年会)および1991年の日本分析化学会(第40年会)でそれぞれ発表した(ヒト血清中のHSAPの蛍光分析」および「尿中の葉酸の蛍光分析」に関する研究はいずれも表題の尿中ポリアミンの研究と密接な関係を有するものであり,これらの研究と併行して今後仕事を進展させたい。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 一瀬 典夫: "Fluorometric Analysis in Biomedical ChemistryーTrends and Techniques including HPLC Applications" John Wiley & Sons,Inc.,USA, 225 (1991)