1991 Fiscal Year Annual Research Report
クロレラ原形質膜輸送担体の青色光による合成誘導の解析
Project/Area Number |
02640529
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
神谷 明男 帝京大学, 薬学部, 助教授 (90112763)
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Keywords | クロレラ / ヘキソ-ス取り込み / 青色光効果 / プロトン共輸送 / カリウム放出 |
Research Abstract |
クロレラのヘキソ-ス取り込みは青色光・赤色光により阻害される。ヘキソ-スの取り込みは、原形質膜に存在する輸送担体を介して、H^+symportされ、同時に膜の脱分極によりK^+effluxが起こる。昨年度までに、クロレラ白色変異体細胞を用いてヘキソ-ス(6ーdeoxyglucose)の取り込み(および同時に起こるH^+symport・K^+efflux)がカルシウム添加により顕著に促進されることを見いだしている。カルシウムは細胞内及び細胞内外の情報伝達に深く関与することが知られている。 今年度は、ー1,青色光照射によるヘキソ-ス取り込み阻害にカルシウムが関与しているかどうか検討した。その結果、カルシウム添加により、青色光によるヘキソ-ス取り込み阻害が起こりにくくなった。5mM CaCl_2で、青色光による阻害効果は50%保護された(半分程度阻害解果が認められなかった。)この保護効果はへキソ-ス添加により起こるH^+symport及びK^+effluxにも認められた。また、外部から加えたCaCl_2は10分程度で数mM細胞に入るが、カルシウム・チャンネルブロッカ-として知られている、Nifedipineが存在すると、カルシウムの取り込みは阻害された。ただ、高濃度のカルシウムは細胞にとって害であるので、細胞は取り込んだカルシウムを再び排出する。これらの結果から、青色光は細胞内のカルシウムの移動(濃野変化)を制御する可能性が考えられた。 次に、ー2.細胞内のカルシウムの挙動を検討するために、蛍光物質Furaー2を用いて予備的に蛍光分析を試みたところ、Furaー2は350nmの励起光で500nmに極大をもつ蛍光を出し、測定系は十分検討可能であることが確認された。ー3.カルシウム以外に膜電位を変えるK^+の細胞内外の流れを追跡した結果、青色光はK^+の取り込みを促進するのに対して、赤色光照射では、顕著なK^+effluxが認められた。また、赤色光の中では666、735nmの波長が有効であり、用いた材料がクロロフィルを欠く変異細胞であることから、光受容体はクロロフィルではない。ー4.クロレラの原形質膜の単離方法をさらに検討したが、チラコイド膜片の混入が認められた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] A.Kamiya: "Influences of blue light on uptake and consumption of amino acids in a colorless mutant of chlorella" J.Plant Physiology. 138. 279-284 (1991)
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[Publications] A.Kamiya: "Influence of Ca^<2+> on blue lightーinhibition of glucose uptake in a colorless mutant of Chlorella" J.Plant Physiology. 139. 166-170 (1991)