1991 Fiscal Year Annual Research Report
イオンビ-ムミキシング法によるTiN膜の作製とその疲労破壊の解明
Project/Area Number |
02650058
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
村上 理一 徳島大学, 工業短期大学部, 教授 (00112235)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝村 宗英 四国工業技術試験所, 首席会究官
|
Keywords | ダイナミックミキシング / イオンビ-ム / 疲労持性 / 耐摩擦・摩耗 / 密着強度 / セラミック薄膜 / 表面改貭 |
Research Abstract |
ダイナミックミキシング法とマルチア-クPVP法を作って膜厚を変えながらTiN膜及びCrN膜を作成し,疲労試験,スクラッチ試験及び摩擦・摩耗試験を行った。また,ダイナミックミキシング法を用いて,TiN膜の膜厚を一定に保ちながら,維成を変えた膜を積層化することにより同種の試験を行った。その結果,次のような結論を得た。 1.疲労寿命は薄膜の厚はほど長くなるが,応力レベルが低くなるとその傾向はさらに顕著となった。 2.同一のTiN膜であっても成膜方法をダイナミックミキシング法及びアルチア-クPVD法では疲労寿命に差異が生じた。すなわち,疲労寿命は後者に比べて前者が長い傾向にあった。 3.薄膜の密着強度は,スクラッチ条件に強く依存した。すなわち,それは,負荷速度が大きくなると減少し,スクラッチ速度とともに増加した。しかし膜厚が厚いほど大きくなる傾向を示した。同一の膜厚であれは,TiN膜の方がCrN膜より大きい。 4.摩擦係数は膜の表面状態に強く依存する。回転数が小さいとき,摩擦係数はすべり距離とともに除々に増加してμ=0.8付近に飽和した。しかし,回転数が大きくなると,すべり距離とともに連続的に増加した。その値は,膜厚が厚いほど小さい。 5.薄膜を積層化することは,疲労寿命にかなり影響することは単相仮覆の場合と同じであるが、その程度は組成や成膜条件と密接に関連していた。これらは,き裂成長過程よりむしろき裂発生過程に強く影響した。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 矢野 哲夫: "ダイナミックミキシング法によるTiN_x被覆材の疲労特性への皮膜組成の影響" 高温学会誌. 17. 325-331 (1991)
-
[Publications] R.Murakami: "Fatigue Progerties of TiN Films on Steel Coated by Cynamic Mixing" Procs.Mech.Behav.of Mat.ーVl. 2. 487-492 (1991)
-
[Publications] R.Murakami: "The Effects of TiN Film Thickness on Fatigue Strength for the Steel Moclified by DynamicーMixing Methol" Procs.ASME/JSME Joint Conf.on Electronic Packaging. (1992)
-
[Publications] R.Murakami: "Evaluation of Adhesion and Friction Beharsor of Ceramic Thin Films Prodaced by Ion Beccm Methods" Procs.ASME/JSME Joint Conf.on ElectronicーPackaging. (1992)
-
[Publications] Fauzi: "Structccre of Thin Film Prodaced by Ion Beam Mixing Method" Proc.Japan Cong.on Mater.Res.(1992)