1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650089
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
井上 誠 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (30092539)
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Keywords | 研削加工 / 研削機構 / 砥石ー工作物接触面 / 切削状態 / CBN砥石 / ダイヤモンド砥石 |
Research Abstract |
砥石と工作物の接触領域における個々の砥粒切れ刃の切削状態を観察測定するために、バネ仕掛けによる衝撃棒で、適度の保持力を持つ案内面によって支持される小さなバイス端面を打撃し、工作物ごと急速に放す装置を試作した。バイスの運動状態を応答速度の十分速い位置検出素子と発光素子の組み合わせによって測定したところ、必要な性能が確認された。さらに、砥石速度を通常の1/3程度に落とした鋼の湿式平面研削加工により、砥粒切れ刃の切削途中の状態がほぼ瞬時に凍結されることが確認できた。この装置を使用して鋼の研削実験を行なって以下のような知見がえられた。 (1)鋼の湿式平面研削について、砥石周速度を通常の研削加工条件まで変化させて工作物高速打撃移動装置の性能を検討したところ、研削加工中に接触面上に生成された切削痕は工作物の移動中に後続切れ刃によって干渉を受けないことが確認された。 (2)一般砥石とCBN砥石による鋼の研削実験により、砥石研削速度の相違や砥石の摩耗度合いによって工作物ー砥石の接触面に固有の切削状態が生じることが確認された。 (3)砥石ー工作物接触面における任意断面の粗さを用いることにより、従来の解析例を適用してその研削条件における最大砥粒切り込み深さや最大砥粒切削断面積等の分布状態を推定する方法を提案した。さらに、この方法による最大砥粒切り込み深さの推定値と引っ掻き痕の形状測定結果を従来の解析理論に適用したところ、測定される研削抵抗の傾向をよく説明しうることが分かった。
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