1990 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックス繊維強化複合材料の摩擦摩耗状態監視システムの研究
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02650107
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
久門 輝正 群馬大学, 工学部, 教授 (20029060)
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Keywords | AEリングダウン数 / SiC繊維強化金属 / セラミックスディスク / ピン・ディスク型摩擦・摩耗試験 / 微細条痕 / 摩耗形態 / 繊維含有率 / 摩擦損傷 |
Research Abstract |
ピン・ディスク型摩擦・摩耗試験機を用いて2種類のSiC繊維強化金属ピン(繊維46vol%と33vol%Alマトリックス)と4種類のセラミックスディスク(ZrO_2,Al_2O_3,Si_3N_4,SiC)を組合せ,荷重W=1.84〜5.29N摩擦速度80mm/s,無潤滑下で摩耗試験を行った。このときのAEをAEセンサにより検出し,動的接触状態と摩耗機構の推定を行った。さらに摩耗面の微細凹凸の幾何学的形状の変化とAEの解析結果との関係についても検討を行い,AEと表面損傷状況との関係を明らかにした。その結果次のようなことが明らかになった。 1.AEのリングダウン数はSiC繊維強化金属ピンの比摩耗量と相関関係があり,リングダウン数によって比摩耗量の定性的評価が可能である。 2.AE波は単に材質の損傷,破損のみでなく,摩耗粉の移着や弾性接触によっても発生する。 3.材質の組合せによってはその材質の摩耗面の微細凹凸の幾何学的形状とAE発生率には固有の相関関係があるため、それぞれの組合せにおける摩耗面の損傷状況をリアルタイムで検出することも可能である。 4.同一のSiC繊維強化金属ピンでも組合せたディスク材質によってその摩耗形態が変化する。例えば,Si_2N_4SiCディスクではディスクの比摩耗量がピンのものよりも大きくなる。一方,ZrO_2,Al_2O_3ディスクではその逆の傾向を示した。 5.ピンの微細条痕の総断面積に対する摩耗粉の排出割合αbが大きくなるほどAEのリングダウン数は増大した。 6.Si_3N_4とSiCディスクと組合せたピンでは、ピンの摩耗面の平均線深さlσの増加とともにAEのリングダウン数は増大した。一方,ZrO_2Al_2O_3と組合せたピンでは,lσが減少するほどリングダウン数は増大した。この結果は,摩耗機構の差の検出に利用できることがわかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 久門 輝正: "セラミックス同士の摩擦・摩耗機構" 日本機械学会論文集 C編. 56. 789-796 (1990)
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[Publications] 久門 輝正: "AEによるセラミックスの引っかき特性評価" トライボロジ-会議'90春 東京講演会予稿集. 63-66 (1990)
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[Publications] 久門 輝正: "炭素繊維強化金属の摩擦・摩耗特性" トライボロジスト. 35. 337-342 (1990)
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[Publications] 久門 輝正: "AEによる摩擦損傷監視システムの基礎的研究" トライボロジ-会議'91春 東京講演会予稿集. (1990)