1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650116
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
吉野 英弘 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (90039272)
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Keywords | 歯車 / 歯車研削 / 成形研削 / 研削能率 / 研削焼け / 砥石整形 / 圧電素子 |
Research Abstract |
整形の容易なWA砥石を用いた歯車の成形研削は,ワ-クごとに砥石の整形を行うので,自由度が大きく,多種少量生産に適したこれからの歯車研削法として注目されている.昨年度までの研究で,形成研削においても従来方式とほぼ同等以上の高能率研削が可能であること,研削能率の限界は研削焼けによって生じること,研削焼けの生じない限界の研削長さと砥石粒度・研削条件の関係,研削焼けと研削動力の関係,不安定ながらある特定の砥石整形条件において著しく研削性能が向上する場合のあることを明らかにした.本年度は,安定的に研削焼けの生じにくい砥石の整形条件を明らかにするために,圧電素子を利用して整形時のドレッサに微小振動を与えるとともに,砥石の整形条純(整形時の砥石周速およびドレッサの送り速度)をいろいろ変化させて,研削焼けが生じるか,または総研削長さが4.5mに達するまで研削を行った.砥石はWA80 Jを用い,研削液はソリュ-ションタイプのものを希釈して用いた.研削試験は,NC歯車研削盤を使用して,ラックの歯溝をもつ侵炭焼入れした試験歯車(歯厚で0.2mm)を1パスで仕上げた.仕上げ研削は行っていない.得られた実験結果をまとめるとつぎのようになる. (1)ドレッサを振動させて砥石外周と直角方向に1回転当たり数個の溝をつけることにより,研削焼けの発生しない限界の研削長さが40%以上増加する.(2)整形ピッチ(1回転当たりのドレッサ送り量)を大きくすれば,研削長さが最高で3培以上増加する.(3)この場合,砥石周速を一定にしてドレッサの送り速度を大きくするよりも,ドレッサ送り速度を一定にして砥石周速を小さくした方が研削焼けに対して大きな効果が表れる.(4)これは,砥石周速の減少によって慣性力が減少し,砥粒が大きく破砕するためと考えられる.この場合,研削動力は著しく減少し,研削長さに対する研削動力の増加割合も小さくなる.
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