1990 Fiscal Year Annual Research Report
AE法による液体と固体の破壊過程の類似性に関する研究
Project/Area Number |
02650124
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 幸雄 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (70006196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈良坂 力 東北大学流体科学研究所, 助手 (50006178)
祖山 均 東北大学大学院, 工学研究科, 日本学術振興会特別研 (90211995)
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Keywords | アコ-スティック・エミッション / キャビテ-ション / エロ-ジョン / 音響エネルギ / 振動壊食試験 |
Research Abstract |
静置式振動壊食試験装置において,静置試片面上のキャビテ-ションの様相,壊食量およびAE信号をそれぞれキセノンによる瞬間写真,高精度天秤およびAEセンサ-により測定した。その結果,以下のような結果を得た。 1.エロ-ジョンの経時変化曲線は,潜伏期,増加期,定常期および減衰期に分けられ,AEパルス数が単調に増加する潜伏期,増加期の存在を示した。ただし,定常期になると,AEパルス数は急速に減少傾向に向い始め,減衰期においては完全に減少傾向を認める。すなわち,エロ-ジョンによる材料の破壊過程を,AEパルス数の変化により予測し得る可能性を示した。 2.振動片と静置試片間のすき間を変えることにより,キャビテ-ションのタイプを自由に変えられる方法を利用し,AE信号の音響エネルギを測定した。そして,音響エネルギの経時変化は,すき間が1mmでは時間とともにいったん増大し,ピ-クを取った後に減少すること,また,すき間が0.5mm(エロ-ジョン量がピ-クを取る)になると,1mmの時のようなエネルギの増大は認められず,時間とともに単調に減少する傾向を示す。また,すき間を15mmと大きくすると,音響エネルギは単調に増大する傾向を認めた。 平成2年度においては,AE信号処理装置と既存のAD変換ボ-ドによりAE信号のオンライン処理をある程度可能とし,AEイベンツの数(すなわちAEパルス数)とAE音響エネルギの測定を行なえた。今後は更に高速のAD変換器の使用により,現在のAE受信周波数(100〜300RHz)域の高周波域への拡大を計り,SN比の改善を行いたい。
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