1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650173
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金子 成彦 東京大学, 工学部, 助教授 (70143378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 辰郎 東京大学, 工学部, 助手 (70011179)
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Keywords | 自励振動 / 流体関連振動 / 原子炉構成要素 / 高速増殖炉 / 越流堰 / スロッシング |
Research Abstract |
平成2年度の研究では、ステンレス製の薄肉同心多重筒堰で仕切られた円筒形水槽とアルミ製の薄肉平板堰で仕切られた矩形水槽の2種類の実験装置を製作し、流量と落下高さをパラメ-タとして振動の発生条件を探るための実験を行なった。円筒形水槽ではスロッシングモ-ドの発生は確認できたが、流力弾性振動モ-ドの発生は確認できなかった。また、矩形水槽ではスロッシングモ-ドと流力弾性振動モ-ドの両方の発生を確認することができた。特に矩形水槽においては、同一流量のもとで、流力弾性振動モ-ドからスロッシングに移行する場合が観察された。また、理論的な研究では、自由液面と円筒堰を連続体として扱う一段階前のモデルとして、自由液面の振動を耐震設計で用いられるハウスナ-モデルで置き換えて(すなわち、矩形水槽の中心に筋が一つだけ現われる対称一次モ-ドを等価なバネ-マスモデルで置き換えて)、スロッシングモ-ドの解析を行なった。この計算によってスロッシングモ-ドの不安定振動の発生は、堰板の肉厚および供給側液体の液面と回収側液体の液面の液面間の距離にのみ依存し、流量にはほとんど依存しないことが明らかになった。また、流量は振動が発生した場合の振幅に影響を与かるだけであることも明らかになった。さらに、自由液面の振動を、等価な質量とバネから構成されるモデルで置き換えたハスウナ-モデルがスロッシングモ-ドの発生機構を記述するために有効であることが明らかになった。平成3年度は、自由液面の運動を連続体として取り扱う。具体的には、ポテンシャル理論を適用し流体力を算出し、不安定振動の発生機構について検討を行なう。
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[Publications] 久野 勝美: "いつ流に伴う堰の自励振動の研究(第2報,流力弾性振動モ-ドの自励振動の発生機構)" 日本機械学会論文集C編. 56ー525. 1094-1100 (1990)
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[Publications] 金子 成彦: "いつ流に伴う堰の自励振動" 東京大学工学部紀要A. 27. 20-21 (1990)