1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650329
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
角田 與史雄 北海道大学, 工学部, 教授 (60001210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 義裕 北海学園大学, 工学部, 教授 (80137398)
古内 仁 北海道大学, 工学部, 助手 (60165462)
林川 俊郎 北海道大学, 工学部, 助教授 (90002302)
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Keywords | 鉄筋コンクリ-ト / せん断 / 限界状態設計法 / 地中構造物 |
Research Abstract |
地中コンクリ-ト構造物は従来から多数作られているが、その設計は地上の構造物を対象に研究された成果がそのまま応用されているのが実状である。しかし、土圧は分布荷重として作用するので、集中荷重による研究により導かれた耐力算定式によるよりは有利な性状が期待されること、地中構造物は一般に面部材からなるので、せん断補強をせずに所定の耐力と靭性を得ることが期待されていること、地中では構造物の大変位に対し地盤による拘束作用が期待できることなど、地中構造物に固有の問題が存在する。本研究は地中構造物の合理的な終局限界状態設計法を確立するためのもので、本年度は分布荷重を受ける部材を想定し、部材中に反曲点が存在するときのせん断耐荷性状、および部材隅角部の強度および変形性状の問題を中心に主として実験的な研究を行った。その結果、反曲点を有する部材においては、反曲点を境に二分される両側のせん断スパンの比によって破壊様式が異なり、短かい方と長い方のせん断スパン比が0.3以上の場合には、両側のせん断スパンに独立して斜ひびわれが発生し、せん断耐力はそれぞれのせん断スパンに対して単純ばりと同様にみなして算定した耐力の平均値にほぼ一致すること、せん断スパン比が0.3以下の場合には長い方のせん断スパンに生じた斜ひびわれが支配的となり、そのせん断スパンに対して算定されたせん断耐力を用いればよいこと、反曲点を有する部材がせん断圧縮破壊を起こすときには、載荷点から支点に向かって圧縮ストラットが形成され、そのときのせん断耐力は載荷点と支点の距離をせん断スパンとみなして算定すればよいこと、などが明らかになった。
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