環境認識語彙と認知地図を用いたスポ-ツ・レジャ-空間の評価に関する研究

1991 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 02650367
• Research Institution: Faculty of Engineering Ibaraki University
• Principal Investigator: 小柳 武和 茨城大学, 工学部, 助教授 (50108205)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 笹谷 康之 (株)地域開発研究所, 研究員 (90170703) ; 山形 耕一 茨城大学, 工学部, 教授 (70002053)
• Keywords: スポ-ツ空間 / 環境情報 / 認知地図 / 語彙分析 / 釣り場 / ダイビングポイント / スキ-場 / 熱気球

Research Abstract

本研究では、海釣りとダイビング、川釣り、スキ-と登山とオリエンテ-リング、熱気球それぞれの活動空間としての海岸、河川、山岳、空中を対象空間とし、それらのスポ-ツ・レジャ-を楽しむ人々が、自然地形や自然環境をどのように認知し、その中にどのような醍醐味を味わっているのかを、関連する語彙と認知地図の分析および現地空間特性調査により明らかにした。本年度は補足調査と全体のまとめから、次に示す成果が得られた。
(1)海釣りとダイビングを楽しむ人々の地形および海象の認知特性には共通点がみられ、6種の重要な海中地形タイプが抽出できた。また、海中地形と海象特性を表す23個の記号を用いた沿岸域の評価法を提案した。(2)定評のある50箇所のスキ-場(950コ-ス)のガイドマップおよびケ-ススタディ-でのインタビュ-等により得たデ-タの分析から、スキ-ヤ-の重視する滑走コ-スの条件要素と9つの基本的なコ-ス形状が抽出できた。更に、コ-ス形状とスキ-ヤ-の心理との関連性も明らかになった。(3)オリエンテ-リングのコ-スガイドに用いられている山岳空間の特徴物の用語と記号を分類整理した結果、重要な地形形態として20の地形タイプが抽出できた。(4)川釣りを楽しむ人々の間で用いられている河川関連語彙の分析から、彼らが認知する河川空間の要所・要素として、12の流相、33の河道タイプ、10の河川地形認識要素が抽出できた。(5)登山ル-トと、コ-スガイドに記述されている要素の分析から、登山者が位置の認知と登行の安全性、快適性の面から重要視している要素として、14の地形要素と10パタ-ンの分岐点の地形形態が抽出できた。(6)熱気球の世界大会や全国大会が開かれている定評のあるフライトエリアが地形および気象風の分析から、6つのタイプに類型化できた。また、過去の競技成績の分析から、活動に必要なエリア面積基準が設定できた。

Research Products

• [Publications] 志摩 邦雄: "釣り人とダイバ-の環境認識からみた海岸・海中の景観資源" 土木計画学研究論文集. No.7. 163-170 (1989)
• [Publications] 笹谷 康之: "語彙体系による河川地形環境認識の把握について" 環境システム研究. 3. 7-12 (1990)
• [Publications] 坂本 泰敏: "熱気球におけるフライトエリアの分類・評価に関する基礎的研究" 土木学会第46回年次学術講演会講演概要集第4部. 46. 530-531 (1991)
• [Publications] 小柳 武和: "スキ-場におけるコ-スの空間特性と評価" 土木学会第47回年次学術講演会講演概要集第4部. 47. (1992)
• [Publications] 小柳 武和: "登山ル-トにおける空間認知特性" 茨城大学工学部研究集報. 40. (1992)