1990 Fiscal Year Annual Research Report
アルミニウムーステンレスネット複合パイプの製造とその特性
Project/Area Number |
02650494
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
穴田 博 富山大学, 工学部, 助教授 (30019195)
|
Keywords | 複合材料 / アルミニウム / ステンレスネット / マンドレル押出し / 捩じり試験 / トルク値 / 一方向凝固 / パイプ |
Research Abstract |
アルミナ繊維や炭化ケイ素繊維繊を強化材料に用いた,繊維強化型アルミニウム複合材料は100kg/m^2をこえる大きな強度が得られることが知られている。しかし押出し,圧延等では剛性の大きいこれら長繊維が破断し,加工による形状変化は望めない。一方,応用面からは線やパイプ形状の複合材料が期待されている。そこで強度と延性に勝れたステンレスネットを層状に複合させたビレットを鋳造し,これをマンドレル法により押出してパイプとする本研究の発想が生まれた。本研究では,1.ビレットの鋳造 2.ビレット押出しによるパイプの作製,3.複合パイプの特性評価順に実験を遂行し,それぞれ次のようなことを明らかにできた。 1.ビレットの鋳造方法:市販のSUS304 16メッシュ(線径0.213mm)の網をアルミニウム箔と重ねて黒鉛棒に巻き付け,これを鋳型内中心に設置の後,750〜825℃のアルミニウム溶湯を注ぎ,その後一方向凝固して,外径25mm,内径10mm,長さ120mmの健全な中空ビレットが作製できるようになった。 2.マンドレル法による複合パイプの作製:上述の中空ビレットをマンドレルを用いた押出し法で外径12mm,内径7.8mmのパイプに加工できた。ステンレスネットの巻き初め位置,巻き終り位置,さらに全体の巻き数により,押出し時にステンレス線が破断する限界値が存在することから,健全な複合パイプの製造条件を明らかにできた。 3.複合パイプの捩じり特性:パイプ肉厚部にネット形状を保ちステンレス線が破断しない健全なパイプは,捩じり試験に極めて勝れた性質を示した。例えば同一形状の純アルミニウムパイプが約4回転(1000度)捩じれるのに対し,ネット6回巻きのパイプではほとんど原型のまま破断に至るほど捩じれ低抗が大きい。軽くて捩じれ低抗が大きいこの複合パイプは将来ロボットのア-ム等の部材への応用が期待できる。
|
Research Products
(1 results)