1990 Fiscal Year Annual Research Report
気相塩基性物質の連続定量法の開発とその脱硝過程最適化への応用
Project/Area Number |
02650547
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
前田 泰昭 大阪府立大学, 工学部, 教授 (80081438)
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Keywords | 塩基性汚染物質 / 微量定量法 / 尿素分解反応 / アンモニア / 酸性雨 / 酸性霧 / 化学発光法 / 脱硝 |
Research Abstract |
1)大気中に主な塩基性物質であるアンモニアの化学発光法による微量定量法の開発のためアンモニアと塩素の化学発光反応の基礎的検討を行い以下の成果が得られた。 a)液相のアンモニウムイオンろ塩素ガスから生ずる化学発光はアルカリ濃度が高いほど、塩素濃度が濃いほど強いことが分かった。 b)気相のアンモニアを定量する場合は次亜塩素酸ナトリウム水溶液に塩酸を加えて酸性にすると発光強度が増加する事が明かとなった。 c)アンモニアは塩素の代わりに臭素を用いても強い化学発光を生ずる事を見いだした。 d)塩素の場合の最大発光強度が690nmで臭素の場合の850nmと異なることから、化学発光に寄与する励起種は塩素または臭素を含むアンモニアの酸化生成物であろうと考えられた。 2)以上の基礎的検討に基づいて開発した化学発光アンモニア定量法によると10ppbの気相アンモニアと、100ppbの液相アンモニウムイオンがそれぞれ1分以内で定量することができた。これらの試料を5回繰り返し定量した時、前者の相対標準偏差は5.8%で、後者のそれは3.6%であった。 3)開発した測定法により大阪府下の雨および霧中のアンモニウムイオンを定量し、イオン選択性電極法およびイオンクロマトグラフィ-による測定結果と良い一致が得られた。 4)開発した測定法により尿素分解を利用する脱硝過程からリ-クする気相アンモニアを定量した。窒素酸化物共存下で1ppm以下のアンモニアを迅速に定量出来ることが分かった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.MAEDA: "Aqueous Phase Oxidation of Sulfur Dioxide and Sulfite Anion by Dissolved Oxygen" Global and Regional Environmental Atmospheric Chemistry. 473-476 (1990)
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[Publications] Y.MAEDA: "Speciation of NItrogeneous Air Pollutants in Ambient Air or in Acid Rain by Chemiluminescence Method" Proceedings of International Trace Analysis Symposium. 181-186 (1990)
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[Publications] 前田 泰昭: "地球を取り巻く環境と水" 化学と工業. 43. 1472-1475 (1990)
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[Publications] Y.MAEDA: "Round Robin Test for the Determination of Organic Air Pollutants" Proceedings of the Second International Conference of Environmental Analytical Chemistry. 312-315 (1990)
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[Publications] Y.MAEDA: "Continuous Determination of Air Pollutants by Chemiluminescence Method" Procedings of the Second International Conference of Environmental Analytical Chemistry. 316-319 (1990)