1990 Fiscal Year Annual Research Report
クロロフィル熱分解生成物の分析ーオイルシェ-ルケロジェンの構造解明と関わってー
Project/Area Number |
02650599
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石渡 眞理子 東京大学, 工学部, 助手 (50101085)
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Keywords | クロロフィル / オイルシェ-ル / ケロジェン / 熱分解 / イソプレノイド / 1ープリステン / 熱変化 |
Research Abstract |
1.本研究はクロロフィルの加熱による構造変化の解明を目的とする。筆者らの研究から、クロロフィルを低温で加熱したときの化学構造の変化の追跡が、地中におけるケロジェン形成過程の解明に重要な手がかりとなることが分かっている。ケロジェンはオイルシェ-ルに高い濃度で含まれ、有機炭素資源として重視される。 2.平成2年度の研究では以下のことが分かった。 (1)250℃で、30分から24時間加熱したクロロフィルを熱分解(400℃,lsまたは15s)したとき、加熱時間が長くなると、熱分解生成物の組成は、ケロジェンの熱分解生成物のイソプレノイド成分の組成と似てくる。 (2)90℃で24時間から72時間加熱したクロロフィルの熱分解生成物は、未加熱のクロロフィルの熱分解生成物とあまり変わらない。 (3)9,10ージヒドロアントラセン(DHA)共存下でクロロフィルを予備加熱したものの熱分解生成物には、DHA無添加のものより高い収率で1ープリステンが含まれる。このことからケロジェンの形成には還元的雰囲気が重要な関わりを持つと推定できる。 (4)予備加熱したクロロフィルの赤外線吸収スペクトルではエステル結合のカルボニル基の吸収が大幅に減少する。このことからクロロフィル分子のエステル基が熱により化学変化をすることが分かった。 3.上記の結果をふまえ、予備加熱(250℃,30分)したクロロフィルの、液体クロマトグラフィ-による分離に着手している。これは分離された各フラクションの定性分析を行うためである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Mariko ISHIWATARI,: "The Effect of Preheating Treatment on the Pyrolysis of Chlorophyllーα.Simulation of Diagenetic Processes in Kerogen Formation" CHEMISTRY LETTERS,. 1990. 875-878 (1990)
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[Publications] MARIKO ISHIWATARI: "PYROLYSIS OF CHLOROPHYLL a AFTER PRELIMINARY HEATING AT A MODERATE TEMPERATURE IMPLICATIONS FOR THE ORIGIN OF PRISTーlーENE ON KEROGEN PYROLYSIS" Journal of Analytical and Applied Pyrolysis,.