1990 Fiscal Year Annual Research Report
電極反応によるテルペン類の簡便な合成法の開発に関する研究
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02650617
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
徳田 昌生 北海道大学, 工学部, 助教授 (80001296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉野目 浩 北海道大学, 工学部, 教授 (00000779)
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Keywords | 電極反応 / 反応性金属陽極 / テルペン / プレニル化反応 / 位置選択性 / アルテミシアケトン / エゴマケトン / イプスジエノ-ル |
Research Abstract |
電極反応に用いてプレニル基を位置選択的にカルボニル化合物に導入することにより,相当するホモアリルアルコ-ルおよびβ,γー不飽和ケトンを合成する方法を開発した。さらに,この成果をテルペン類の合成に応用することができた。 1.プレニル基導入の位置選択性制御ーより還元されやすい臭化プレニルを出発原料とし,白金陰極とカドミウム金属を修飾した白金陽極を用い陽極,陰極を一定時間毎に交換して電解する方法(A法)を開発し,これによってプレニル基をジメチルの置換した炭素側で位置選択的にカルボニル化合物へ導入することができた。一方,置換基のより少ない炭素側でのプレニル基の導入は,塩化プレニルを出発原料としてニッケル陽極あるいは白金陽極を用いる電解法(B法)によって達成することができた。 2.β,γー不飽和ケトンの合成ーカルボン酸無水物あるいはアシルイミダゾ-ルとハロゲン化プレニルを,A法あるいはB法の条件で電解することにより相当するβ,γー不飽和ケトンを位置選択的に合成することができた。 3.テルペン類の簡便な合成法の開発ー臭化プレニルと3ーメチルー2ーブテナ-ルあるいは3ーメチルー2ーブテン酸イミダゾ-ルからA法を用いて電解することにより、それぞれ61%の収率でアルテミシアアルコ-ル,あるいは30%の収率でアルテミシアケトンを,いずれも一段階,位置選択的に合成することができた。また,3ーフランカルボアルデヒドあるいは3ーフランカルボン酸無水物(あるいはイミダゾ-ル塩)と塩化プレニルをB法を用いて電解することにより,位置選択的にエゴマケトンを合成することができた。さらに,昆虫フェロモンであるイプスジエノ-ルの簡便な合成法も見出すことができた。
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[Publications] Masao Tokuda: "New Efficient Electrochemical Allylation of Aldehydes and Ketones with a Cadmiumーmodified Electrode" Chemistry Letters. 461-462 (1990)
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[Publications] 徳田 昌生: "反応性金属を陽極として用いる有機合成" 化学と工業. 43. 1980-1983 (1990)
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[Publications] Masao Tokuda: "Regiocontrolled Electrochemical Introduction of a Prenyl Group to Carbonyl Compounds by the Use of Reactive Motal Anodo" (1991)
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[Publications] Masao Tokuda(Editor:R.D.Little,N.Weinberg): "“Electroorganic SynthesisーFestschrift in Honor of Manuel M.Baizer"" Marcel Dekker, 300 (1991)