1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650651
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Research Institution | Shimane University. |
Principal Investigator |
稲村 勇 島根大学, 理学部, 助教授 (50108776)
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Keywords | 水溶性高分子 / クロロフィリン銅ナトリウム / ビリルビン / 可溶化 / ゲルクロマトグラフィ- / 可視吸収スペクトル / 凝集体 / モノマ- |
Research Abstract |
1.クロロフィリン銅ナトリウムとポリビニルピロリドン(PVP)との様互作用 クロロフィリン銅ナトリウムの水中でのゲルクロマトグラフィ-では、未分画と初期のフラクションで、その吸収スペクトルに430nmのショルダ-(肩)が認められなかった。他方、PVP水溶液中では、未分画試料と全てのフラクションで、430nmのショルダ-が認められた。このショルダ-は、フラクション番号が大きくなるにつれて、大きくなる傾向を有し、クロロフィリン銅ナトリウムのモノマ-によるものだと推定された。従って、PVPはプロトポルフィリン IXの場合と同様にクロロフィリン銅なトリウムの場合に於いても、その凝集体化を抑制する傾向があった。恐らく、PVPのランダムコイルの中にクロロフィリン銅ナトリウムのモノマ-がとじこめられて、クロロフィリン銅ナトリウムどうしの結合が抑制されたものと考えられる。 2.アンモニアを用いることによるビリルビンの中性の水への可溶化 ビリルビンはヘモグロビンの分解産物で、胆汁色素の主成分である。ビリルビルは本来、中性の水には溶解しない。ところが、私たちは、アンモニア水を使うことによって、中性の水にビリルビンを溶解することに成功した。調製方法は次のようである。(1)水溶性高分子の濃厚水溶液にビリルビンと濃アンモニア水を加え、ビリルビンを溶解する。(2)アスピレ-タ-で乾燥し、ビリルビン一高分子フィルムをつくる。(3)少量の水を加え、よく練る。(4)水で希釈する。このようにして調製したビリルビン1高分子複合体水溶液について、種々のポリマ-に対するPH変化や光劣化速度を比較研究した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 稲村 勇: "Association Behavior of Protoporphyrin IX in Water and Aqueous Poly(Nーvinylpyrrolidone)solutions.Interaction between Protoporphyrin IX and Poly(Nーvinylpyrrolidone)" Bull.Chem.Soc.Jpn.64. 2005-2007 (1991)
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[Publications] 稲村 勇: "Gel Chromatography of Chlorophyllin (CuーNa salt) in Water and Aqueous Poly(Nーvinylpyrrolidone)Solution"