1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650660
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
尾崎 拓男 群馬大学, 工学部, 助教授 (90008524)
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Keywords | 単分散ペプチド / オリゴペプチド / ペプチド合成 |
Research Abstract |
近年、合成ポリペプチドがタンパク質のモデルとして用いられ、多くの成果が得られてきているが、これまでのモデルペプチドは分子量が不均一な多分散試料であって、その分子量分布のためにポリペプチドの微細構造についての厳密な議論ができなかった。したがってそのためには、分子量が均一でアミノ酸配列の明らかな単分散試料の合成が是非とも必要になってくる。しかしながら、このように正確なモデルペプチドは、今までは、そのペプチドの有機溶媒への溶解度の低さのために合成することが困難であった。そこで本研究では、申請者が既に報告した改良活性エステル(DCCーONSu)法を用いて、特に、特定部位の局所的コンホメ-ションや分子内及び分子間相互作用を調べるために、ペプチド鎖中に ^<13>Cや ^<15>N標識アミノ酸を組み込んだ単分散モデルペプチドの合成方法を開発することを目的とした。本研究では、 ^<13>C標識Lーアラニン(Cα及びC=0炭素を標識したもの)を、各々γーベンジルーLーグルタメ-トの特定の場所に組み込んだモデルペプチド(18量体及び9量体)と、 ^<15>N標識Lーアラニン残基とLーロイシン残基及び ^<15>N標識Lーロイシン残基とLーアラニン残基とからなるオリゴペプチド(各々6量体:10種類)の合成を改良活性エステルを用いて行った。その結果、目的とした試料はこの方法を用いることで十分合成できることが明らかになった。また、高価な ^<13>Cや ^<15>N標識アミノ酸を用いた単分散モデルペプチドを合成する場合、この方法は反応段階が少なく得られる試料が多いことから、固相法よりも優れていることが分った。特に、γーベンジルーLーグルタメ-トを基礎としてこの方法を用いれば、種々の単分散モデルペプチドが得られることが期待される。また得られた試料については、今後その ^<13>C及び ^<15>N NMRスペクトルを測定して、それらの微細構造を調べる予定である。
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