1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650690
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
久保田 博信 神戸大学, 工学部, 助教授 (60031077)
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Keywords | 定圧比熱容量 / 高圧液体 / 代替フロン / HCFC123 / HCFC141b |
Research Abstract |
流体の熱力学的性質は正確なPーVーTデ-タに基づいて作成された状態方程式が存在すれば、これを用いて解析的に誘導することも可能であるが、現在のところ代替フロン類については気相域に使用できる状態方程式すら存在せず、実測する以外にはそのデ-タを入手する方法はない。本研究では、温度230〜420K、圧力1〜40MPの範囲で測定可能な高圧流通型定圧比熱容量測定装置を設計・製作し、代替フロンとしての可能性の高いHCFC123(CF_3CH_2CI)およびHCFC141b(CH_3CCI_2F)などについて。可能なかぎり広範囲な温度・圧力下で定圧比熱容量の実測を行うことを目的とした。 測定装置の製作にあたっては、その困難さの故に本邦では高圧流体の比熱容量測定に掲わっている研究者がほとんど存在しない現状に鑑み、誰にでも容易に作製可能で、特別な測定技術を必要としない測定装置を開発することに留意した。製作した装置で得られる定圧比熱容量の不確かさは2.1%以内と推定される。 まづ最初に、作製した装置の健全性を確認する意味も含めて、現在までに代替フロン類で唯一デ-タが存在し、比較的正確なデ-タであると考えられるHCFC123について、温度310.2および320.2K、圧力1.0MPaの範囲で測定した。本実測値と文献値は1.0%以内で一致し、装置の健全性は確認された。ついで、これまでにデ-タの存在しないHCFC141bについて、温度303.2Kおよび323.2K,圧力0.6MPa〜1.0MPaの範囲で実測を行った。得られた定圧比熱容量は他の冷媒と同様に圧力の上昇に伴いゆるやかに減少し、またその温度係数は本測定範囲では正であることが見いだされた。HCFC123とHCFC141bはCFC11の代替フロン物質とされているが、両者の定圧比熱容量の値は本測定範囲内ではほぼ同じ値をとることが判明した。
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Research Products
(1 results)