1990 Fiscal Year Annual Research Report
ニンニクおよびワサビの揮発性イオウ化合物による園芸植物の休眠打破と開花促進
Project/Area Number |
02660031
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
細木 高志 島根大学, 農学部, 助教授 (90101245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 守彦 島根大学, 農学部, 助手 (70218543)
稲葉 久仁雄 島根大学, 農学部, 教授 (30032585)
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Keywords | 休眠打破 / 開花促進 / メチルジスルフィド / 硫化水素 / 揮発性イオウ化合物 / ニンニク / 球根類 / 宿根類 |
Research Abstract |
球根類,宿根類および花木に対する揮発性イオウ化合物が、芽の休眠打破および開花に及ぼす影響について検討した。 1メチルジスルフィド,アリルジスルフィドなどスルフィド類や硫化水素が芽の休眠を破り発芽を早めた。とくにメチルジスルフィドは薬害が少なく発芽までの日数を大幅に短縮した。 2.メチルジスルフィドの最適濃度は1%がよく、約4〜6リットルの密封容器内に植物材料を入れ20℃で4〜8時間気浴する処理がもっとも優れていた。 3.メチルジスルフィド処理を行った球根類は処理後の発芽のみならず、茎葉の生長も早くグラジオラスでは12月末までの開花が可能となった。無処理の対照株の開花率は低かった。処理した株の切花本数は増加し、その品質も優れていた。 4.メチルジスルフィドやアリルジスルフィドを含むニンニク磨砕物を球根や花木に処理しても発芽や開花促進に効果が認められた。 5.メチルジスルフィド,硫化水素,ニンニク磨砕物(ペ-スト)を植物体に処理すると、24時間以内に呼吸の上昇がみられた。またデンプン分解酵素の活性も上昇した。 6.ニンニク中のモノスルフィドを抽出して球根に処理すると発芽が早まった。 以上よりメチルジスルフィドは休眠打破と開花促進について有効であったが、今後はこれらの薬剤の作用機構を明らかにする必要がある。また球根類、宿根類および花木の12月下旬の開花が実用的に成立するかどうかも検討する必要がある。
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