1990 Fiscal Year Annual Research Report
自家不和合性アブラナ科野菜の体細胞と花粉細胞の培養及びそれぞれの細胞融合
Project/Area Number |
02660032
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松原 幸子 岡山大学, 農学部, 教授 (90026378)
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Keywords | カルス培養 / プロトプラスト培養 / 細胞融合 / アブラナ科野菜 |
Research Abstract |
ダイコン、カブ、カイラン等のプロトプラスト培養:ダイコン8品種、カブ3品種、カイラン、及びキャベツ、ハクサイ、カリフラワ-、ブロッコリを供試してプロトプラスト培養を試みた。各植物の5日令の無菌の実生の子葉を細断し、酵素溶液(セルラ-ゼYC,ペクトリア-ゼYー23,MESバッファ-、マニト-ル、ペレティエ-(1983)のB培地)中でプロトプラストを単離した。培養の為に、B培地を用いてコロニ-を形成させ、やはり同じペレティエ-のC培地に移植してカルス形成を誘導し、数回移植してカルスを反殖させた後、E培地に移植して苗条再分化させた。カルス、根分化はいずれの品種でも見られたが、苗条再分化はダイコン1品種、カブ2品種、及びその他の総ての品種で成功した。 カイラン、パクチョイ、チンゲンサイ、アブラナ、タカナ、赤キャベツ、守口ダイコンのカルス培養:まだ試みていないカイラン、パクチョイ、チンゲンサイ、タカナと、比較として既に成功しているアブラナ、赤キャベツ、守口ダイコンを供試してカルス培養を行った。各種子をエタノ-ル、アンチホルミンで表面殺菌した後、MS培地に播種し、5日令の実生の胚軸を3ミリに切って外植体とした。種々の濃度の2,4ーDとBAを添加したMS培地に外植体を植え付けたところ、総ての外植体でカルスを形成し、さらに2,4ーD低濃度区でカイランと赤キャベツで苗条が再分化した。培養1か月後、1mg/1BA添加培地にカルスを移植したところ、チンゲンサイ以外の総てのカルスから苗条が再分化した。根は総ての外植体から再分化した。 カイランの電気的細胞融合:カイランからのプロトプラストを前述の方法で単離し、BM機器のBTXエレクトロセルマニピュレ-タ-(ECMー200)で融合条件を確定した。接着は5×10^5の密度で10V、75秒のパルスで、融合は500Vを30μs2回のパルスを与えることで最も効果的に出来た。
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