1990 Fiscal Year Annual Research Report
カメムシ類の摂食に関する研究:摂食、消化、代謝に及ぼす日長の影響
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02660040
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
堀 浩二 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (10003097)
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Keywords | カメムシ / 日長 / 幼虫生育 / 摂食 / 消化酵素 / フォスファタ-ゼ / オキシダ-ゼ |
Research Abstract |
オオトゲシラホシカメムシの各種生理現象に与える日長の影響。(1)幼虫の生育:全幼虫期間は12Lー12Dと14Lー10D(この両者間では有意差はない)の条件下でより16Lー8Dの長日条件下で有意に長かった。(2)成虫休眠:繁殖休眠のための臨界日長は15Lー9Dと15.5Lー8.5Dの間にあった。(3)5齢幼虫の摂食量:雄の12Lー12Dと16Lー8Dグル-プ間での比較において、摂食量は脱皮後1日目には前者で多く、4日目と5日目では後者で多かった。一方雌において、摂食量は初日では12Lー12Dグル-プで、4・5・6日目では16Lー8Dグル-プで多かった。すなわち日齢に関する摂食量のプロフィルは両グル-プの間で異なった。(4)体重:各齢と成虫期における雄の体重は12Lー12D、14Lー10D、16Lー8Dの3グル-プ間で異ならなかったが、5齢雌と雌成虫の体重は12Lー12Dグル-プよりも14Lー10Dと16Lー8Dグル-プで有意に重かった。(5)5齢幼虫の中腸消化酵素の活性:5齢期間中、中腸のアミラ-ゼとインベルタ-ゼ活性は12Lー12Dより16Lー8Dグル-プで高かった。トリプシンやアミノペプチダ-ゼは両グル-プでほとんど検出されなかった。(6)5齢幼虫の各種代謝に関する酵素の活性:中腸のトレハラ-ゼ活性は、5齢期間中、12Lー12Dと16Lー8Dの両グル-プで低く、両グル-プ間に差は認められなかった。酸フォスファタ-ゼ活性は、5齢期間中、12Lー12Dグル-プが16Lー8Dグル-プより高かった。ポリフェノ-ルオキシダ-ゼ活性は低く両者間で差は認められなかった。パ-オキシダ-ゼ活性は、5齢期間中、16Lー8Dグル-プが12Lー12Dグル-プより高かった。日長は明らかにこのカメムシの幼虫生育、摂食量、中腸の消化酵素活性とある代謝酵素活性に影響を与えた。すなわち直接か間接かにかかわらず、日長はこの昆虫の摂食に影響を与えたと言える。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Hori,K and Inamura,R.: "Effects of stationary photoperiod on reproductive diapause,nymphal growth,feeding and digestive physiology of Eysarcoris lewisi Distant (Heteroptera:Pentatomidae)" Applied Entomology and Zoology.