1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02660047
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
岸本 良一 三重大学, 生物資源学部, 教授 (10135428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 佳廣 三重大学, 生物資源学部, 助手 (40144232)
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Keywords | ウンカ類 / 生活史戦略 / 翅型 |
Research Abstract |
日本産ウンカ類のうち比較的普通に見られる約40種について,その形態的特長,生活史とくに食草,発育日数,成虫に見られる長翅型と短翅型の比率,越冬状態について,野外調査と飼育実験を併用して研究を進めている。現在までの結果の要約は以下のとおりである。 1.ウンカの大部分の種はイネ科植物を食草としており,イネ科以外のものを食草としているのは4種だけである.しかも食性は狭く,殆んど単食性のものが多い。 2.多年性種を食草とするものが多く,1年生もしくは越年生を食草とするものは比較的少ない。 3.小型のウンカ,たとえばチビウンカは芝に,大型のテラウチウンカやヒロズウンカはヨシに寄生し,ウンカ種の体長と寄主植物の草丈の間には明りような相関が見られる。 4.小型種は小形の卵を,大型種は大型の卵を産み,両者の相関は明りようである。 5.大型の寄主植物には植物の上部に生息する種と下部に生息する種が同所的に生息しているが,丈の低い植物には一種だけが生息している。 6.多年生植物に生息する種や大型植物の下部に生息する種は短翅型を高率に出現させる種が見られる。 7.一年生植物であるイネ,コムギなどの作物に寄生する害虫ウンカは移動性が高く,長翅型出現傾向が高く,体の大きさの割には翅の発達が良いことが特長的である。
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