1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02660047
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
岸本 良一 三重大学, 生物資源学部, 教授 (10135428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 佳廣 三重大学, 生物資源学部, 助手 (40144232)
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Keywords | ウンカ類 / 生活史戦略 / 翅型多型 |
Research Abstract |
1.前年度にひき続いて,新たに数種のウンカについて,形態的,生理・生態的特性を調査した。特にスゲ科植物に寄生するナガウンカ蛋について新たな知見が得られた。ハリマナガウンカ,アカシナガウンカ,ヤスマツナガウンカについて調査した。 2.越冬態について,確定されていない種について調査を行った。 成虫越冬はナガウンカ亜科とタケウンカ亜科全部に見られ,ウンカ亜科ではチビウンカだけであった。その他の種では幼虫態と卵態とが相半ばした。その他に熱帯系で長距離移動型のものが7種見られた。九州離島以南に分布する種はこれには入れてないが,これら大部分は休眠を示さず,不特定越冬型に入ると思われる。 3.ウンカ類に広く見られる翅の多型現象について調査した。前翅の発達程度を示す指標として(翅端長/体長)をとると,長翅型ではメスは大体1.3,オスでは1.5で,種による変動はあまり見られないが,短翅型ではメスは0.5〜1.0で,種による変異の中が大きく,中翅型と呼べる程度のものから極端な短翅型まで見られた。 4.種による翅型多型の変異を類型化すると,A型:メス,オスともに長翅型だけを生ずるもの,B型:オス,メスともに短翅型が優先的に出現するもの,C型:オス,メスともに生息条件によって翅型率が変動するものとメスにだけ長・短翅型が出現し,オスは長翅型だけのもの,の3群が分けられる。
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