1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02660047
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
岸本 良一 三重大学, 生物資源学部, 教授 (10135428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 佳廣 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (40144232)
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Keywords | ウンカ類 / 翅型 / 長・短翅型 / 日長条件 / 休眠 |
Research Abstract |
1.本年度は各種ウンカに対する日長の効果について調査した。 2.周年発生経過を,室内飼育調査と併行して行った。室内飼育は9.00〜17.00までは25℃,17.00〜翌朝9.00は15℃とした。照明時間は9.00からはじまり,その後消灯するまでを明時間とした。多くの場合,短日を8時間明,16時間暗,長日は16時間明,8時間暗とした。 3.いずれの発育段階でも休眠しない熱帯型種,例えばトビイロ,ヒエ,ヤジロモドキ,タロイモ各ウンカでは日長の翅型,色彩への効果はみられなかった。 4.卵越冬するトビイロモドキ,ニセトビ,ナカノ各ウンカでは,短日ではオス,メスともに短翅型が多くなり,長日では長翅型が多くなった。 5.幼虫越冬するヒメトビ,クワハラ,サッポロトビ,では越冬あけ個体の中に短翅型が多くなり,この傾向はとくにオスで強調された。シロオビ,クロウンカでは周年短翅型が多いが,長翅型が長日下で出現しやすいといえる。 6.チクゼンやヒメトビでは幼虫休眠に入る日長よりや・長い日長下で短翅型が出現する。 7.成虫休眠するチビウンカでは同じように短日下で短翅型が多くなるが,セスジナガ,タケウンカでは形態的変化は見られなかったが,テラウチウンカでは越冬型では白色であり,非休眠虫は黒化(クロバネテラウチ)するという典型的な季節型を示した。 8.以上のことから短翅型は越冬を目ざした型で,短日条件で増加し一方長翅型は春〜夏の繁殖期を目ざした移動分散で,長日条件で出現することが示された。
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