1991 Fiscal Year Annual Research Report
ポリカチオンおよびポリアニオンによるレクチン刺激リンパ球の幼若化促進機構の解明
Project/Area Number |
02660088
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
高橋 孝雄 三重大学, 生物資源学部, 教授 (10024556)
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Keywords | レクチン / リンパ球幼若化(芽球化) / 芽球様細胞 / DNAポリメラ-ゼ / コンドロイチン硫酸A |
Research Abstract |
コンカナバリンーA(ConーA)刺激によるリンパ球芽球化(幼若化)におけるコンドロイチン硫酸A(ChsーA)の作用を本年度は生存率,DNA合成および芽球様細胞出現率につき検討し、DNA合成は平均16%亢進し、芽球様細胞は13.4〜21.0%増加させる結果を得たので、その関連酵素であるDNAポリメラ-ゼα,β,γ活性を測定し、比較検討した。 レクチンとしてはB細胞マイト-ジェンであるアメリカヤマゴボウ・レクチン(PWM)、T細胞マイト-ジェンであるインゲン豆レクチン(PHA)2種計3種を用いた。これらのレクチン添加着のα活性は著しく上昇する。特にChsーA添加(42ug/ml)では無添加に比べて約30%増大した。これら活性のピ-クはPHAでは培養3〜4日目に単一ピ-クが、またPWMでは4日目と6日目に2つのピ-クが認められた。γ活性についてはChsーA添加による影響はほとんど認められなかった。以上のことからChaーA添加により未刺激リンパ球の生存率6.7%の増加およびDNA合成16%の増加した事実とDNAポリメラ-ゼαおよびβの活性増大との相互関係につきさらに検討したいと考えている。またChsーA添加により生存率が増大した結果によるものか、培養72時間後の総細胞体積が平均31%増加することも観察している。またChsーAがリンパ球のインタ-ロイキン-2の産生に関与する反応にも関係があるような結果を得ているので検討している。
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