1990 Fiscal Year Annual Research Report
シオミズツボワムシ大量培養槽における原生動物および細菌の機能
Project/Area Number |
02660188
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
日野 明徳 東京大学, 農学部, 助教授 (90012012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 貴次 東京大学, 農学部, 助手 (70159557)
小川 和夫 東京大学, 農学部, 助手 (20092174)
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Keywords | シオミズツボワムシ / 細菌 / 原生動物 / ケモスタット / 食物連鎖 |
Research Abstract |
シオミズツボワムシ培養時に出現する細菌及び原生動物の機能を解析するにあたって、実際の種苗生産現場でそれらの消長を観測し、あわせて室内実験で検証した。 ワムシ大量培養槽中の原生動物及び細菌の動態観測 神奈川県栽培センタ-の150トン間引き式培養槽において、毎日定時観測を行なった結果、細菌数は10^7ー5_x10^3/mlであまり変化がなかったが、鞭毛虫は全く検出されない状態から8_x10^4間で変化し、その変動はワムシの増殖と逆相関を示したことから、鞭毛虫がワムシに捕食されていることが示唆された。 食物連鎖における原生動物および細菌類の機能の評価 上記現場での大量培養を模した31規模の培養を室内で行なったところ、実験開始時に10^7/ml存在した細菌は、終了時には10^6/mlにまで減少し、また、形態組成は、ワムシの増加とともに桿菌の占める割合が減少し球菌が優占した。桿菌の密度およびワムシ密度の間には負の相関が認められたことから、ワムシは、球菌よりも体積の大きい桿菌を摂餌することが示唆された。また、鞭毛虫は0ー10^4/mlの範囲で大きく変動し、培養の初期にはワムシの餌料としての意義が示唆されたものの、中期以降は出現が突発的になり解析が困難になった。 ワムシ、原生動物、細菌間の食物連鎖網の定量は、各生物のエネルギ-摂取量と排泄量、増殖量を知る事によって行なう計画であったが、このために最も優れた方法であるケモスタットの運転に成功したので、今後、環境項目の設定値を段階的に変えて実験を行なう予定である。
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