1992 Fiscal Year Annual Research Report
水田土壌への土壌改良剤混入による土の物理性改良並びに侵食防止効果
Project/Area Number |
02660236
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
田熊 勝利 鳥取大学, 農学部, 教授 (40032297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 洋 鳥取大学, 農学部, 教授 (10032054)
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Keywords | 土壌改良 / 土の物理性 / 土の透水性 / 土壌団粒 / 侵食防止 |
Research Abstract |
重粘性の水田土壌は、排水不良により過湿状態であることが多く、農作業機械による耕耘作業において、砕土性が悪く、走行能が低下する原因となっている。このような易耕性の悪い重粘性土壌を改良するためには、過剰水の排水を行うことが肝要である。また水田の汎用化に伴い畑に転換して、畑作物栽培の可能な環境を得るには、排水の促進とともに土の物理性の改善を必要とする。 土壌改良剤添加による水田土の物理性改良について、重粘性土壌と考える4試料土に2.3年度で用いた土壌改良剤のハイドラール、ランドライフとソイルターを添加すると土の団粒構造が発達し、物理性が改善されることが分かった。特に透水性と排水性の向上が顕著であった。このことは土壌の関隙が増加し、通気性の改善が行われ、農作業における易耕性の改善にも役立つものと考える。 傾斜地土壌面における侵食防止については、土壌改良剤の添加が土壌の安定化をもたらし、侵食抑制にある程度効果的であることが分かった。他の侵食防止法と違って土壌面をそのままの状態で利用できるため、農地などの侵食防止法としては有効である。土壌流亡に伴う濁水の土壌改良剤による処理とその効果は、3種の土壌改良剤の黒ボク、赤色土、干拓土に対する凝集効果に関して、土壌改良剤の濃度による違いだけではなく、それぞれ土の性質によっても凝集の態様が変わってくるものと考える。また土壌流出をくい止めるために添加した土壌改良剤が、水質汚染源にならないためにも、添加量が少ないことが望まれる。それぞれの土壌に適した土壌改良剤があり、その濃度に対しても土によって異なることが分かった。土壌改良剤の添加のみで土壌流亡を阻止するのではなく、農地の土壌を改良することの両面からの防止も必要であると思われる。
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