1991 Fiscal Year Annual Research Report
鶏Bリンパ球の分化・成熱に及ぼす組織、細胞由来液性因子についての検討
Project/Area Number |
02660314
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
馬場 威 大阪府立大学, 農学部, 教授 (30081540)
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Keywords | 鶏Bリンパ球 / IgA産生細胞 / ハ-ダ-腺 / 分化・増殖因子 |
Research Abstract |
1.ハ-ダ-腺(HG)内のIgA表出リンパ球の増数に及ぼす全HG細胞の影響: HG内Bリンパ球の表在IgA(sIgA)の表出に及ぼす全HG細胞(上皮細胞)の産生する液性因子(生理活性物質)の影響を、インタ-セルを用いて両細胞を非接触的に培養することによって検討した。80時間培養後リンパ球を回収し、Flow cytometric analysis(FACS)によりsIgA陽性細胞率を解析した結果、全HG細胞を加えて培養したHGリンパ球は、対照群に比べsIgA陽性率が有意に増加した。しかしながら、ファブリキウス曩(BF)リンパ球においてはその影響は認められなかった。 2.HGおよびBFリンパ球の増殖活性に及ぼす全HG細胞の影響: 前項と同様、インタ-セルを用いてHGリンパ球およびBFリンパ球を全HG細胞と非接触的に培養し、それらリンパ球の増殖活性に及ぼす全HG細胞由来液性因子の影響を ^3Hーthymidineの取り込み量(cpm)を指標として検討した。その結果、HGリンパ球のcpmは対照群に比して有意に上昇したが、BFリンパ球に対しては増殖効果が認められなかった。 3.脾臓、盲腸扁桃およびBF内sIgA陽性リンパ球の増数に及ぼす全HG細胞培養上清の影響: 上記1、2の結果から、全HG細胞培養液中にはHGリンパ球のsIgA表出および増殖を促進する生理活性物質の存在することが明らかとなった。この物質が、HG以外のリンパ組織のリンパ球に対してもsIgAの表出を誘導するかについて検討した。3日間培養した全HG細胞の培養上清をメンブランフィルタ-で濾過し、セントリカットを用いて分子量10,000以上の分画を得、脾、盲腸扁桃およびBFリンパ球にこの分画を加えて培養したが、いずれにおいてもsIgA陽性率の上昇は認められなかった。 4.全HG細胞培養上清投与鶏の脾臓、盲腸扁桃におけるsIgA陽性リンパ球の数的変化: 前項の全HG細胞培養上清分画を3日間連続鶏に静脈内投与し、各組織におけるsIgA表出リンパ球数を測定したが、対照に比べて増加は認められなかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] BABA,T.: "Role of the Harderian gland in immunoglobulin A production in chicken lacrimal fluid." Research in Veterinary Scirnce. 49. 20-24 (1990)
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[Publications] BABA,T.: "Some preliminary studies on the ontogeny of IgA producing cells in the chicken." Veterinary Immunology and Immunopathology 1991年.
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[Publications] TSUJI,S.: "Role of Harderian gland on differentiation and proliferation of immunoglobulin Aーbeearing lumphocytes in the chickens." Veterinary Immunology and Immunopathology 1991年.