1990 Fiscal Year Annual Research Report
肝ゴルジ膜結合プロテア-ゼのアルブミン及びウィルスタンパク生合成における役割
Project/Area Number |
02670123
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松田 佳子 徳島大学, 工学部, 教授 (40035449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 哲也 広島大学, 医学部, 教授 (00022905)
辻 明彦 徳島大学, 工学部, 助教授 (20155360)
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Keywords | プロセシングプロテア-ゼ / ウィルス活性化酵素 / 膜融合タンパク質 / プロアルブミン / トランスゴルジ膜 / パラミクソウィルス |
Research Abstract |
ラット肝よりトランスゴルジ膜を調製した。1方 ^<35>Sーメチオニンで標識したプロアルブミンをラット肝初代培養のパルス標識で合成し,抗体アフィニティクロマトグラフィ-で精製する。これを ^<35>Sプロアルブミンとしてプロセシング反応を測定したところ,トランスゴルジ膜から0.3%chapSを含む緩衝液でプロテア-ゼを抽出することができた。DEAEセルロ-スカラムクロマトグラフィ-,ハイドロキシルアパタイト,TSK3000SW,ゲルろ過,ベンズアミジンセファロ-スクロマトグラフィ-などの精製ステップを経て,部分精製したプロアルブミンプロセシングプロテア-ゼはカルシウム依存性で,EGTAで完全に阻害される。PCMBでも阻害されるがNエチルマレインイミドや,Eー64では全く阻害されない。フォスフォラミドンでも阻害されず,セリンプロテア-ゼ阻害剤のPMSFではわずかに阻害されるのみである。至適pHは5.5であり,合成基質はほとんど反応しなかった。一方,パラミクソウィルスの外膜に存在する膜融合タンパク質Fは,ウィルスが細胞に感染するときに重要な役割を果しているが,宿主細胞内で生合成されたときは不活性な前駆体F_0タンパク質である。これは宿主細胞のトランスゴルジ膜領域で特異的プロセシングプロテア-ゼの作用を受けて,膜融合活性のあるF_1タンパクに変換される。このF_0フロセシングプロテア-ゼも前述のプロアルブミンプロセシングプロテア-ゼと同様にトランスゴルジ膜結合プロテア-ゼであるが,カルシウムイオン依存性のメタロプロテア-ゼである。プロテア-ゼ阻害剤に対する反応性はプロアルブミンプロセシングプロテア-ゼときわめて似ている。しかし,合成基質に対する反応性では,両プロセシングプロテア-ゼは異なっており,F_0プロセシングプロテア-ゼはBocーQPRーMCAをよい基質としている。
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Research Products
(1 results)