1990 Fiscal Year Annual Research Report
2種のヤブカにおける糸状虫(Brugia pahangi)感受性の遺伝学的研究
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02670174
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
只野 長夫 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (10081663)
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Keywords | Brugia pahangi / トウゴウヤブカ / ヒトスジシマカ / 感受性 / 遺伝的機構 / 遺伝子座 |
Research Abstract |
平成2年度の研究実施計画に沿って次の結果を得ている。累代飼育系統のトウゴウヤブカに加えて,本年度は新たに次の新しい系統を採集して実験に用いた。(1)秋田男鹿半島,(2)岩手宮右,釜石,(3)佐渡ケ島。これらの新系統を含めて7系統のBrugia pahangi感受性を調査した。宗谷系統92%から最少は宮古系統46%の感受性があり,感受性に大差があった。非感受性系統を作るために,宮古,佐渡,宗谷,カナダ系統から選択淘汰を開始したが現在のところ,2〜4世代しか経ていないが,感受性に変動がみられる。さらに3〜4世代の淘汰を継続する予定である。また一方,より感受性系統を作るために突然変異系統(ruy^M)を用いて逆の淘汰を行っている。他方,ヒトスジシマカの8系統(仙台,大洗,烏山,沖縄,ω,マレ-シア2系統,タイ1系統)のB.pahangi感受性を調べたところ,全系統とも感受性は0%であった。本年度はB.pahangiを冷染させたスナネズミを一匹分譲されたものから,現在はさらに7匹のスナネズミに感染させているので,来年以降に実験に供する予定である。トウゴウヤブカの酵素遺伝子座のうち,Me(malie enzyme)の決定は現在続行中であるが,第一回の実験y^MMe^F♀X(y^MMe^F♀X Me^S♂)から仮説通りに第一染色体(性染色体)に存在することがわかった。さらに実験を繰返すための材料を作製中である。ヒトスジシマカの酵素遺伝子地図の作製の実験はwhiteーeyeと米国ノ-トルダム大学からの系統(redーeye)との関係,およびwhiteーeyeとキサンチン脱水素酵素遺伝子座との位置関係を調べている。
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Research Products
(1 results)