1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670275
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
荒川 正昭 新潟大学, 医学部, 教授 (80069012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 洋一 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (80211415)
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Keywords | mesangium / 細胞外基質 / I型コラーゲン / IV型コラーゲン / 糸球体腎炎 / 菲薄基底膜病 / アルポート症候群 / IV型コラーゲンα5鎖 |
Research Abstract |
1.平成3年度までの研究から、in vitroにおけるメサンギウム細胞(M細胞)の機能は、細胞周囲の基質成分の存在により、影響されることを明らかにした。そこで、どのような基質成分が重要であるかを調べるため、さまざまな細胞外基質を培養皿にコートして、M細胞の活性を検討した。 2.その結果、M細胞の増殖能は、I型コラーゲン(COL1)とIV型コラーゲン(COL4)上で培養したときに最も強く、他の基底膜成分上では、増殖が抑制された。細胞外基質への接着活性は、COL4に対して最も強かったが、COL1に対しても、それよりやや弱い程度であった。さらに、M細胞の細胞外基質(特にCOL1)mRNA発現は、COL1上で倍養したときに最も強かった。その際の電顕的観察によると、M細胞の細胞内骨格がよく発達していることが観察された。 3.これらの結果をまとめると、M細胞は、正常のメサンギウム基質としては存在しない、COL1に対して強く接着し、活発な増殖能を獲得、さらにCOL1の産生が活発化することが示された。これらの結果は、腎炎の自律的な進展過程をよく説明しうるものと考える。 4.臨床的に良性家族性血尿を示し、腎生検で菲薄基低膜病(TBMD)と診断された家系を用いて、COL4α3鎖(COL4A3)との連鎖解析を試みた。COL4A3を用いた理由は、これらの家系では遺伝形式が常染色体優性であり、COL4A3遺伝子は常染色体である2番染色体上にマップされているからである。しかし、結果として、TBMDとCOL4A3との連鎖については否定的であり、病因は遺伝子である可能性が高かった。また、アルポート症候群患者におけるCOL4A5鎖遺伝子の変異を、Southern blot法で解析し、二人の患者において遺伝子欠失があることを見いだし、うち一例の欠失の大きさが約10kbであることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Minoru Sakatsume,Masaaki Arakawa et al: "Extracellular Matrix(ECM)Components affect the expression of Matrix Proteins by Cultured Ret Mesangial Cells" J,Amer.Soc.Nephrol.3. 643- (1992)
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[Publications] 荒川 正昭,山崎 肇 他: "IV型コラーゲンα3鎖遺伝子と菲薄基底膜病の連鎖解析" 厚生省特定疾患進行性腎障害調査研究班平成4年度業績集.
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[Publications] 山崎 肇,荒川 正昭 他: "アルポート症候群の分子遺伝学的研究の傾向" 日本臨床. 50. 3021-3026 (1992)
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[Publications] 荒川 正昭,斎藤 亮彦 他: "IV型コラーゲンα5遺伝子のNC domain領域に見出されたdeletionとalternative splicingの意義について" 厚生省特定疾患進行性腎障害調査研究班平成3年度業績集. 136-139 (1992)
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[Publications] 中川 洋一,荒川 正昭 他: "多発性嚢胞腎" oanoGIGA. 1. 466-471 (1992)
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[Publications] Akihiko Saito,Masaaki Arakawa et al.: "Molecular and Biological Approach to Glomerular Injuries,pp.121〜133." Masaaki Arakawa,Fumitake Gejyo edited,Nishimura SmithーGordon, 133 (1993)