1991 Fiscal Year Annual Research Report

ビタミンD依存性くる病II型におけるビタミンD受容体蛋白の分子遺伝学的研究

Research Project

Project/Area Number	02670444
Research Institution	The University of Tokushima
Principal Investigator	武田英二徳島大学, 医学部, 講師 (00144973)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	黒田泰弘徳島大学, 医学部, 教授 (20035471)
Keywords	ビタミンD依存性くる病II病 / ビタミンD受容体 / 遺伝子変異 / 先天代謝異常症 / 1.25ージヒドロキシビタミンd
Research Abstract	ビタミンD依存性くる病II型は1,25ジヒドロキシビタミンDに対する3標的器官の受容体(VDR)に障害があり,乳幼児期に重篤なくる病,痙〓,成長障害,禿頭などを呈する。我々は本症が常染色体劣性遺伝性疾患であることを明らかにしたので,患者のVDR蛋白や遺伝子変異に関する分子遺伝学的解析を行った。日本人6症例のVDR蛋白およびmRNAのサイズおよび発現量は正常と差はみられなかった。その中の5症例ではVDRのDNA結合領域をコ-ドする第3エクソン内の140番目のGがAに変異していた。その結果,VDRが標的遺伝子と結合する部位を構成する47番目のアルギニンがグルタミンに置換していた。この変異部位はステロイドホルモン受容体ス-パ-ファミリ-の全てに共通する保存されたアミノ酸である。したがって,このアミノ酸はVDRとDNAとの結合に重要な役割を持っており,この遺伝子変異は本症の原因と考えられた。一方,同一遺伝子変異を呈する患者でも臨床症状および治療に対する反応性にかなりの差異が認められた。さらに,治療中止後くる病の再発は認められない。以上の結果よりビタミンDのホルモン作用発現にはVDRに加えて核蛋白矢環境因子が強く関与していることが示唆された。次に患者のVDR遺伝子の一塩基置換を簡易にスクリ-ニングする目的で,単鎖DNA高次構造変化検出法の有用性を検討した。正常対照と患者のパタ-ンは異なり明瞭に区別することができた。さらに患者の両親のパタ-ンは正常と患者の混合したパタ-ンを示し,保因者であることが示された。本法を用いて大規模のスクリ-ニングを行うことも可能であろう。さらに遺伝子方異が明らかにされていない症例における遺伝子方異整位の目安をたてるのに本法は有用と思われる。

Research Products

(7 results)

All Other

All Publications (7 results)

[Publications] Yokota Ichiro: "Clinical and biochemical findings in parents of children with vitamin Dーdependent rickets type II" Journal of Inherited Metabolic Disease. 14. 231-240 (1991)
[Publications] Saijo Takahiko: "A unique mutation in the vitamin d receptor gene in three japanese patients with vitamin Dーdependent rickets typr II:Utility of singleーstrand conformation polymorphism analysis for heterozygous carrier detection" American Journal of Human Genetics. 49. 668-673 (1991)
[Publications] Arase Seiji: "The effect of 1,25ーdihydroxyvitaminD_3 on the growth and differentiation of cultured human outer rooカ sheath cells from normal subjects and patients with vitamin Dーdependent rickets type II with alopecia" Journal of Dermatological Science. 2. 353-360 (1991)
[Publications] 西條隆彦: "ビタミンD依存性くる病II型におけるビタミンD受容体蛋白および遺伝子の解析" 日本小児科学会雑誌. 95. 1772-1777 (1991)
[Publications] 武田英二: "ビタミンD依存症" 小児内科. 23. 697-701 (1991)
[Publications] 武田英二: "ビタミンD依存性くる病II型" 小児内科. 23. 1779-1783 (1991)
[Publications] 武田英二: "ビタミンD受容体ー遺伝子診断によるビタミンD依存性クル病II型のスクリ-ニングー" THE BONE. 5. 53-57 (1991)

1991 Fiscal Year Annual Research Report

ビタミンD依存性くる病II型におけるビタミンD受容体蛋白の分子遺伝学的研究

Principal Investigator

武田 英二 徳島大学, 医学部, 講師 (00144973)

Research Products

[Publications] Yokota Ichiro: "Clinical and biochemical findings in parents of children with vitamin Dーdependent rickets type II" Journal of Inherited Metabolic Disease. 14. 231-240 (1991)

[Publications] Arase Seiji: "The effect of 1,25ーdihydroxyvitaminD_3 on the growth and differentiation of cultured human outer rooカ sheath cells from normal subjects and patients with vitamin Dーdependent rickets type II with alopecia" Journal of Dermatological Science. 2. 353-360 (1991)

[Publications] 西條 隆彦: "ビタミンD依存性くる病II型におけるビタミンD受容体蛋白および遺伝子の解析" 日本小児科学会雑誌. 95. 1772-1777 (1991)

[Publications] 武田 英二: "ビタミンD依存症" 小児内科. 23. 697-701 (1991)

[Publications] 武田 英二: "ビタミンD依存性くる病II型" 小児内科. 23. 1779-1783 (1991)

[Publications] 武田 英二: "ビタミンD受容体ー遺伝子診断によるビタミンD依存性クル病II型のスクリ-ニングー" THE BONE. 5. 53-57 (1991)

武田英二徳島大学, 医学部, 講師 (00144973)

[Publications] 西條隆彦: "ビタミンD依存性くる病II型におけるビタミンD受容体蛋白および遺伝子の解析" 日本小児科学会雑誌. 95. 1772-1777 (1991)

[Publications] 武田英二: "ビタミンD依存症" 小児内科. 23. 697-701 (1991)

[Publications] 武田英二: "ビタミンD依存性くる病II型" 小児内科. 23. 1779-1783 (1991)

[Publications] 武田英二: "ビタミンD受容体ー遺伝子診断によるビタミンD依存性クル病II型のスクリ-ニングー" THE BONE. 5. 53-57 (1991)