1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670478
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
荒田 次郎 岡山大学, 医学部, 教授 (70033082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 尚範 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (10144750)
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Keywords | 黄色ブドウ球菌 / マウス敗血疹モデル / シクロホスファミド |
Research Abstract |
1.シクロフォスファミド2mg/マウスを5日間腹腔内投与した免疫抑制マウスを作成し,ヒト〓腫症由来の黄色ブドウ球菌を培養した。菌接種の24時間前にマウスの背部にクロトン油塗布または小切開を加えた。マウスの尾静脈より菌液を0.1ml静脈注射した実験的マウス敗血疹モデルを作成した。 2.経時的に生検し病理組織学的に検討した。 1)正常マウス皮膚では菌接種48時間後でも菌は全く認めなかった。 2)皮膚を小切開したマウスでは菌塗布6時間後より小切開部の辺縁の一部に菌を認めた。菌接種24,36,48時間後では小切開部周囲で著明な菌塊の形成が観察された。 3)皮膚にクロトン油を塗布したマウスでは,菌接種6,12時間後までは菌を表皮内にも認めなかった。菌接種24時間後では,表皮内に裂隙形成とともに菌が観察された。菌接種36,48時間後では,菌量の増加が表皮を中心に観察された。 3.以上をまとめると黄色ブドウ球菌が血管内に侵入した場合,正常皮膚には菌は定着しないが,クロトン油皮膚炎など炎症部皮膚および小外傷部皮膚には菌は容易に定着,増殖し感染病巣を形成することが判明した。 さらに電顕的観察および抗菌剤投与後の観察を加え,敗血疹の成立機序の解明およびその対策について検討する予定である。
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