1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670654
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
奥村 秀雄 愛媛大学, 医学部, 助教授 (60115813)
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Keywords | オステオカルシン / ノーザンブロット法 / m-RNA / ラット / 骨芽細胞 / 活性型ビタミンD_3 |
Research Abstract |
人の骨粗鬆症は加齢に伴って生じるが、種々の原因によっても生じ、ステロイド剤の服用時に骨粗鬆症が生じることが知られている。そこで、ラットにデキサメサゾンを投与して、骨組織中のオステオカルシンのmRNAの発現を検索した。96匹のウイスター系成熟雌ラットを用いて、デキサメサゾン(DEX)1mg/kg、100mg/kgを腹腔内に1回投与した後、経時的に屠殺して、脛骨を摘出した。骨髄を除去した脛骨をホモジナイズしてオステオカルシンのcDNAプローブを用いてmRNAの発現をノーザンブロット法にて検索した。DEXの投与により、脛骨の中の細胞(骨芽細胞)のオステオカルシンmRNAの発現は著明に減少した。1mg/kgのDEXでは投与後72時間にて投与前の値に回復したが、100mg/kgのDEXでは投与後24時間にてオステオカルシンmRNAの発現が全く認められなくなり、投与後96時間でもDEXの効果が持続していてオステオカルシンmRNAの発現が全く認められなかった。この実験系を用いて、1,25(OH)_2D_3とそのアナログである 2β‐(3‐hydroxypropoxy)‐1,25(OH)_2D_3[ED‐71]を0.1μ/kgを経口で1回投与した後、前述の方法で脛骨の中のオステオカルシンmRNAの発現を検索した。脛骨の中の細胞(骨芽細胞)のオステオカルシンmRNAの発現は、1,25(OH)_2D_3の投与後6時間にて有意に増加した。一方、ED-71の投与では、投与後6時間にて有意に増加し、その後も高値を持続して、投与後7日でもまだ高値であった。1,25(OH)_2D_3とED-71の効果をin vitroの実験系においても検索した。骨芽細胞様細胞ROS17/2.8を、1,25(OH)_2D_3あるいはED-71を培養液中に加えて培養すると、ROS17/2.8細胞のオステオカルシンmRNAの発現は有意に増加することが認められた。以上のことからオステオカルシンは骨芽細胞によって産生され、1,25(OH)_2D_3あるいはED-71はその転写の段階で作用し、in vivoにおいても作用していることが判明した。
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[Publications] T.Ikeda et al.: "The effect of active vitamin D_3 and logues and dexamethasohe on expression of osteocalcin gene in rat tibiae in vivo." Biochem. Biophys. Res. Commun.163. 1231-1235 (1992)
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[Publications] K. Inoue et al.: "Metabolic bone disease following gasfrectomy: assessment by dual energy x-ray absorptibmetry." Br. J. Surg.79. 321-324 (1992)
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[Publications] 奥村 秀雄: "動物実験から見た骨粗鬆症の病態" 日本老年医学会雑誌. 29. 253-256 (1992)
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[Publications] 山田 洋司 他: "DEXA (Dual Energy X-ray Absorptiometry)を用いた腰椎骨塩量の検討" 愛媛医学. 11. 114-117 (1992)