1990 Fiscal Year Annual Research Report
腎移植後における、生体内腎不全物質の排泄動態の解明及び移植腎機能の研究
Project/Area Number |
02670703
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
山田 豊 山梨医科大学, 医学部, 講師 (60012770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 精 山梨医科大学, 医学部, 教授 (30010193)
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Keywords | 腎移植 / 高速液体クロマトグラフィ- / 腎不全物質 |
Research Abstract |
生体内の腎不全物質の排泄動態を把握するために、臨床腎移植患者尿の高速液体クロマトグラフィ-による分析を行ってきた。つまり、慢性腎不全患者に腎移植を行った場合、正常移植腎機能が発揮されるならば、当然生体内腎不全物質が尿中に排泄されてくるものと想定される。そこで腎移植患者尿の分析にあたり先ず分子ふるい(ゲルクロマトグラフィ-)による分子量分別を試みた。 具体的には25名の腎移植患者尿を採取し、これを高速液体クロマトグラフィ-(ゲルクロマトグラフィ-)ー親水性ゲルで構成されたG3000SWとG4000SW(Toyo Soda Co,Ltd)を直列につないだ回路に尿の検体50μlを注入し測定した。あらかじめ標準物質としてIgM(Hoechst社)の50μlを注入し検量線を測定しておき、分析された絶対量も測定した。保持時間70分間で約40分の部位にIgMが出現することを確認しておいた。結果は25名の腎移植患者のうち、急性拒絶反応を発症した23名中22名(96%)に尿中IgM排泄が認められ、また臨床的急性拒絶反応の重症度に応じて、尿中排泄量も増減変化した。さらに臨床的急性拒絶の発症する2〜3日前に尿中IgM排泄も増加が認められた。このことは従来の免疫拡散法により測定する方法で48時間以上を必要としてきたが、この方法だと70分間で測定でき、臨床的に十分使用可能な拒絶反応の早期診断法と考えられた。 更に平成3年度は申請許可されたイオンクロマトグラフィ-が設置されたため、その性状分析をこの装置により行っている。また、保存腎のViability判定のため、腎灌流液をクロマトグラフィ-により分析する試みも行われている。
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Research Products
(1 results)