1990 Fiscal Year Annual Research Report
尿路悪性腫瘍と可移植腫瘍における臨床的、実験的研究(プラスラフィブロネクチンを中心として)
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02670726
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
杉田 篤生 産業医科大学, 医学部, 教授 (40004840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲富 久人 産業医科大学, 医学部, 助手 (00193558)
藤本 直浩 産業医科大学, 医学部, 助手 (30209100)
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Keywords | Urogenital tumor / Plasma fibronectin / Hyperthermia |
Research Abstract |
ヒト尿路悪性腫瘍群におけるPlasma Fibronectin(pFN)の測定結果。 正常人24名、尿路系悪性腫瘍患者61名において免疫比濁法によるpFN値の測定を行った。 1)治療前におけるpFN値。正常人のpFN値は、平均379μg/ml、患者群では。356μg/mlであり、有意差を認めかなった。転移の有無によっても、pFN値に有意差を認めなかった。予後良好群と不良好群では、各々、410μg/ml、300μg/mlであり、有意差を認めた。 2)保存的治療中の患者群におけるpFN値。保存的治療中の患者群におけるpFN値腫瘍の進行が遅い群と速い群におけるpFN値は、各々、372μg/ml、287μg/mlであり、有意差を認めた。よって、pFN値と腫瘍の進展、予後との関連性が示唆された。 2.担癌マウスにおけるpFN値。 当科で継代し得た尿路悪性腫瘍株を、ヌ-ドマウスに1×10^7個を皮下移植し、pFN値の測定を行った。コントロ-ル群、移植腫瘍の長径が2cm以下、2cm以上のマウスにおけるpFN値はそれぞれ、921μg/ml、1369μg/ml、1671μg/mlであり、担癌状態ではpFM値がコントロ-ルに比べ有意に高値を示し腫瘍が大きい程高値であった。しかし、末期状態では、pFN値がやや下降する傾向がみられた。 3.温熱療法について。 教室で継代し得た尿路悪性腫瘍の組織培養を施行し、至適温度における培養癌細胞の生存率をコロニ-アッセイ法を用い経時的に求めた。43℃において60〜80分加温後の生存率は、いずれも加温前の細胞数の10^<ー1>前後で我々の用いた培養癌細胞は、熱感受性があると考えられる。今後抗腫瘍剤との併用の効果や担癌動物での温熱療法の効果を検討する。
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