1991 Fiscal Year Annual Research Report
子宮体癌増殖抑制へのアロマタ-ゼ阻害物質応用の試みと阻害機構の分子生物学的解析
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02670752
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
山本 宝 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (60158285)
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Keywords | 子宮体癌 / 卵巣腫瘍 / アロマタ-ゼ阻害剤 / エストロゲン受容体 / プロゲスト-ゲン受容体 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
当該年度において以下の成果が得られた。(1).NETの体内代謝物である5αーDHNETはヒト胎盤アマロマタ-ゼに対し、自殺阻害剤として作用するが、未熟雌ウサギ子宮より調整作製したエストロゲン受容体やプロゲスト-ゲン受容体に対しては、殆んど結合親和性を示さないことが明らかとなった。(2).ヒト胎盤より純化作製したモノクロ-ナル抗体のアロマタ-ゼ・チトクロ-ムPー450(MAb3ー2C2:米国バッファロ-医学財団研究所より提供)を使って、ヒト体癌組織の免疫染色を行ったが、染色が薄く、胎盤に比べ組織内濃度並びに局在の小さいことが判明した。(3)閉経後のヒト卵巣腫瘍組織中にはアロマタ-ゼ活性の存在していることが明らかとなった。またアロマタ-ゼ活性の高い腫瘍はプロゲステロン受容体の濃度も高いことが傾向としてみられた。また腫瘍組織内濃度はELISAにより検討もし、腫瘍組織内には一部、免疫組織学的検討の結果、染色している部位が観察された。(4).ヒト乳癌培養樹立細胞株MCFー7をモデルとして用い、腫瘍細胞の細胞増殖(〔3H〕ー4ミジンの取り込み)におけるアロマタ-ゼの関与、14αーOHATの阻害効果を検討した。その結果、アンドロゲンが腫瘍細胞内のアロマタ-ゼによりエストロゲンに転換され、MCFー7の腫瘍増殖に部分的に寄与していることが明らかとなった。また14αーOHATはこれを有意に抑制した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 福岡 正晃,北脇 城,山本 宝,岡田 弘二: "ヒト乳癌細胞株MCFー7細胞に対するaromatase阻害剤の増殖抑制効果" 日本産科婦人科学会雑誌. 43. 1667-1673 (1991)
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[Publications] T.YAMAMOTO,M.URABE,T.TAMURA,J.KITAWAKI,H.HONJO,H.OKADA: "Antitumor Effect of pyridoglutethimide,an Aromatase Inhibitor on 7,12ーPimethylberz(a)anthraceneーInduced Mammary Tamors of Rat" ANTICANCER RESEARCH. 11. 1999-2002 (1991)