1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670962
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
長坂 達夫 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (90057331)
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Keywords | abbeymycin / benzodiazepine / aniracetam / rolziracetam / 2ーPyrsralidinone / LーPyroglutamic acid / 受動的回避学習 / 抗痴呆薬 |
Research Abstract |
研究計画に従って,ラクタムを利用した生理活性物質の開発研究を行った。本年度に得た成果は次の通りである。 1.無水イサトン酸とtransー4ーhydroxyーLーprolineを出発物質として,抗生物質abbeymycinの合成を目指し,Nーbenzyloxycarbonylabbeymycinの合成に成功した。まだ,abbeymycinの合成に成功していないものの,11位と11a位の水素がtrans配位をもつこの骨格の立体選択的合成法を確立した。 2.2ーPyrrolidinoneの1位にacyl基およびalkoxycarbonyl基をもつaniracetamおよびpiracetam類似の化合物の合成法を検討し,反応条件を吟味して,多数の2ーpyrrolidinone誘導体を合成した。 3.LーPyroglutamic acidを出発物質として,rolziracetamの類似構造をもつ2ーazaーおよび2ーoxorolziracetamを合成した。 4.LーPyroglutamic acidをN末端にもつpeptideのに一般的合成法を検討し,その合成法を確立した。 5.マウスの水泳記憶学習および受動的回避学習を用いて,上に述べた化合物について行動薬理学の実験を行った。その結果,数種の2ーpyrrolidinone誘導体およびrolziracetam類似体に,抗痴呆薬として知られているaniracetamに勝る効果が発見された。 上記の述べた結果は,抗痴呆薬の開発を目指す本研究の初期の目的を達したことになる。
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