1990 Fiscal Year Annual Research Report
培養自律神経ー平滑筋標本における接合部電流及び細胞内Ca濃度変化測定
Project/Area Number |
02671009
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
渡辺 稔 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (50012638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 智之 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (60152906)
今泉 祐治 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (60117794)
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Keywords | 交感神経 / 平滑筋 / 組織培養 / 細胞培養 / 神経筋接合部 |
Research Abstract |
本研究は、自律神経節組織と平滑筋の同時培養により、神経筋接合部を形成させ、シナプス伝達の機序を電気生理学的、及び細胞内Ca濃度変化測定の手法により明らかにすることを目的としている。まず交感神経ー精管平滑筋での接合部電流を記録し、化学伝達物質投与による電流と比較することを目指している。平成2年度は幼若ラット上頚神経節スライスの組織培養により、神経突起の伸長を安定した確率で得ることに大きな労力を注ぎ、ほぼ確立した。また平滑筋細胞を成熟モルモット精管より単離し、短期細胞培養を行った。精管平滑筋細胞の電気生理学的性質と主な化学伝達物質の1つであるノルエピネフリン(NE)の膜電流に対する作用を単離直後から培養数日後まで検討し、新たな知見を得た。特に単離直後の精管平滑筋細胞の膜電流に対するNEの作用について、Ca電流及びK電流のいづれをも減少させるが、K電流の減少がより著しいので総合的にはNEが興奮性を増大させること、またそれぞれの電流減少の機序が異なること等を3つの報文としてまとめた。同特培養によりシナプスが上頚神経節細胞の神経突起ー精管平滑筋細胞間で形成された確証はまだ得られておらず、形態的にシナプスが形成されたと思われた例が、2〜3例観察された。光学及び走査型電子顕微鏡で子細に検討している。コラ-ゲンを敷いたシャ-レ底に培養平滑筋が強く接着し、厚さが非常に薄くなるためパッチクランプを適用しにくく、接合部電位はまだ測定できていない。さらに神経突起が溶液の動きにより破壊・消失され易いので培養液に粘性を与え、取扱いに細心の注意が必要である。シナプス形成の確率を上昇させ、保持したまま平滑筋細胞から膜電流を測定するためには、尚技術的向上が必要と思われ、現在工夫を重ねている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Imaizumi,Y.,Takeda,M.,Muraki,K.,& Watanabe,M.: "Mechanisms of NEーinduced reduction of Cacurrent in Single smooth muscle cells from guineaーpig vas deferens" American J.Physiology. 260. C17-C25 (1991)
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[Publications] Takeda,M.,Imaizumi,Y.& Watanabe,M.: "Effects of noradrenaline and heparin on outward current in single smooth muscle cells of the guineaーpig vas deferens" European J.Pharmacology. (1991)
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[Publications] Imaizumi,Y.,Takeda,M.& Watanabe,M.: "Regulation of membrane excitability of noraclrenaline in single smooth muscle cells of the guineaーPig vas deferens"