1992 Fiscal Year Annual Research Report
トカマクのMHDモードに対する高エネルギー粒子の効果のシミュレーション研究
Project/Area Number |
02680009
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
内藤 裕志 山口大学, 工学部, 助教授 (10126881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福政 修 山口大学, 工学部, 教授 (20026321)
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Keywords | 核融合 / トカマク / 粒子シミュレーション / MHDモード / 運動論的効果 / ジャイロ運動論的理論 |
Research Abstract |
本研究は、3次元ジャイロ運動論的理論に基づいた粒子シミュレーションコードを用い、トカマク等の低ベータ磁気閉じ込め装置中での、粒子の運動論的効果を含むMHDモードの線形・非線形発展及びそれに伴う輸送現象を解明することを目的とする。現在までの研究成果を以下のように要約する。 1.イオンのラーマー半径効果を含みながら、イオンのサイクロトロン周波数以上の周波数の現象を平均化して導かれた、Hamiltonian方程式系を基本式とした3次元ジャイロ運動論的粒子コードを完成した。 2.上記コードを用いて、粒子コードによるトロイダルモード数1・ポロイダルモード数1の内部キンクモードのシミュレーション可能性を実証した。 3.磁力線の追跡によるマッピング図を作成し、磁気面構造の時間変化を調べた。q=1の磁気面の近傍で磁力線の再結合による磁気島が形成され、この磁気島が成長して元の磁気軸を押し出し、磁気島の中心を新しい磁気軸とする平衡配位が形成された。この過程はKadomtsevモデルによる説明と矛盾しないが、磁力線の再結合は、電子の運動論的効果に起因していると考えられる。 4.トロイダル効果を含むシミュレーションコードを完成した。本コードは、トロイダル磁場をモデル化し、粒子の磁気ドリフト(磁場勾配ドリフトと磁場曲率ドリフト)及びミラー効果を含む。 5.上記コードを用いて、高エネルギーイオンを含む場合の内部キンクモードの時間発展のシミュレーションを行い、初期の磁気軸近傍のプラズマと磁力線の再結合による磁気島が共存する状態が持続する結果を得た。この結果は磁気軸上の安全係数が1以下である実験結果(MHD理論では説明できない)と矛盾しない。
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