1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02680070
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中根 芳一 大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (00047002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 正 大阪市立大学, 生活科学部, 助手 (70137181)
永村 一雄 大阪市立大学, 生活科学部, 常勤講師 (60138972)
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Keywords | 結露 / パタ-ン・ステイング / 高気密 / 暖房 / 生活に伴う水蒸気の発生 |
Research Abstract |
前年度の研究を踏まえ、本年は一般集合住宅について主に冬期の結露実測調査を行った。しかし、比較的今冬の冷え込みが厳しくなかったために、冬期の壁隅角部に於ける温度分布性状を明らかにすることが出来たのみで、結露発生の観察は出来なかった。 そこで、壁隅角部の模型を造り、それを対象に結露実験を行ない、かなりの知見が得られたので、現在その解析を進めている。 前年の実験でも既に明らかにしたが、大阪地域では一般集合住宅に於て、窓・出入口の鉄製扉のほか、空気移動の少ない押し入れの中、タンスの裏などの箇所を除くと、それ程、結露が問題になるとは認められない結果を得た。 むしろ、多くの集合住宅で結露が問題になるのは、一部の施工不良等の住宅を除して、原因は居住者の生活方法にあると言え、水蒸気発生の抑制、換気の増大を図ることが大切であると言える。 次に、数値解析について説明する。定常状態を記述する壁体内部の熱伝導方程式に、境界層方程式を簡略表現して空気境界層内部の流体移動を無視した拡散型の湿気伝播方程式を組合せ、重みつき残差流で離散化する3次元有限要素法島析プログラムを作成した。実験との絡みで十分な調整はとれていないが、これを用いて標準的な外界気象条件を入力し、室内隅角部の3次元での温度場と湿度場の両者を計算した。計算結果については、温度場では定性的には経験的に知られているほぼ妥当な等温線図が得られたが、定量的には不十分なので、今後の詳細な実験結果との照合作業を行っている最中である。湿度場については、建材として物性値自身が不明なものが大半なので、定性的な検討も含めて、本研究のモデル用のパラメタの同定作業を行った。
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