1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02680070
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Research Institution | OSAKA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中根 芳一 大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (00047002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 正 大阪市立大学, 生活科学部, 助手 (70137181)
永村 一雄 大阪市立大学, 生活科学部, 講師 (60138972)
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Keywords | 結露 / パターン・ステイング / 高気密 / 暖房 / 生活に伴う水蒸気の発生 |
Research Abstract |
本年の研究で得られた結果および今後検討すベき問題点を要約する。 (1)2室間の隔壁モデルを用いた壁体の熱貫流実験を行なうと共に、実験と同じ熱的条件における数値解析を行って結果を比較することにより、壁体隅角部の数値解析において筆者らが以前に学会誌に発表した隅角部対流熱伝達相当温度境界層の考えが、両室間の空気温にそれほど大きな差がない場合(40℃ほど)に、10種類に分類したそれぞれの隅角部対流熱伝達相当温度境界層実験式を組み合わせて、実際の壁体を通しての数値解析において、入隅側に対しても出隅側に対しても同時に適用できることを確認した。 (2)(1)の結果より、隅角部対流熱伝達相当温度境界層は、壁体両側の空気温度がそれほど大きくない場合において、矩形部と平面部を組み合わせた多様な形態の部位における熱性状解析に対して適用でき、異形部の熱貫流現象を熱伝導方程式に統一して分析できることから、異形部の熱性状解析において一つの有効な指標となることを示した。 (3)本実験では実験上の制約からある程度以上隔壁間の温度をつけることができなかったが、これ以上の温度差の場合に隅角部対流熱伝達相当温度境界層が壁体熱貫流に適用できるかどうかは今後さらに検討を必要とする課題である。 本研究によって結露や汚れなどが生じ易い壁体の隅角部の熱貫流解析に隅角部対流熱伝達相当温度境界層を適用しうることを検証したので、今後は壁体異形部を含む壁体各部の熱貫流解析に隅角部対流熱伝達相当温度境界層を用いて熱的性状の数値解析を行い、壁体異形部各部ごとの熱的特性についてさらに分析を行ない、結露や汚れ防止に有効な具体的手段を明らかにする予定である。
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