1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02680091
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
勝木 渥 信州大学, 理学部, 教授 (30020639)
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Keywords | 物性研究資料室 / 安河内昂資料 / 土井不曇資料 / 物理学輪講会 / 鈴木昭聞書き / 資料所在調査 |
Research Abstract |
今年度の資料の所在調査・作業の進展・新たに得られた知見・形になった成果について,以下に箇条書きにする。 《資料の所在調査》 (1)仁科芳雄の出身地たる岡山県里庄町の「科学振興仁科財団」の「仁科会舘」および「仁科芳雄博士生家」にどのような資料があるか,訪問して調べた。(2)名古屋大学理学部物理教室の「坂田資料室」に収納されている,物性物理関係の資料について,訪問・調査した。 《作業の進展》 (1)「物性物理学史聞書き」のワ-プロ清書が,研究補助者の作業によってある程度進行した。(2)物性研究所の「物性研究資料室,所蔵の「安河内昂資料」(ダンボ-ル箱で105箱)の仮目録の作成が進行し,現在までに,約90箱の仮目録が作られた。(今年度開封して仮目録を作成したのは,40箱。内、勝木によるもの23箱,大山哲雄によるもの17箱) 《新たに得られた知見》 日本物理学会の所蔵する「土井不曇資料」を,特別閲覧許可をえて精査したところ,「物理学論講会」の最初の会合が,1926年3月18日に開かれた確証(1926年3月19日の日記の記載)が得られた。(最初の会合の日付は,徳田寅彦日記や鈴木昭の談話から,ほとんど確実に1926年3月18日であろうと,私によって推定されていたが,その確証が得られた。) 《形になった成果》 日本の量子力学曙光期の状況に対する貴重な証言を提供している「鈴木昭聞書き」(これは私が1977年2月にインタビュ-して,テ-プから起こし,手書きの青焼きコピ-にして,物性史グル-プ内に配布していたものである)の単行本としての出版が実現しかけている。すでに私による最終校正が終わり,刊行を待つばかりになっている。
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Research Products
(1 results)