1990 Fiscal Year Annual Research Report
保育形態が幼児の身体意識や行動特性に及ぼす影響について
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02680124
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Research Institution | Nagasaki Prefectural Women's Junior College |
Principal Investigator |
松永 恵子 長崎県立女子短期大学, 保育科, 助教授 (60141793)
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Keywords | 保育形態 / 行動特性 / 身体意識 / 身体図式 / 身体概念 / 身体像 / 描画 / 自由遊び |
Research Abstract |
保育形態が身体意識や行動特性に影響を及ぼすか検討した。I調査対象:150名の3年間の実習日誌から6月の1週間全て【○!A】個々の興味に基づいて自由に遊ぶ形態4か園491名,【○!B】保育者が勘案し時間で区切っていく形態2か園673名計1164名II研究結果1身体意識ー(1)身体図式(上手く体を動かす能力)25m走,ボ-ル投げ,立幅跳の測定ー5段階評価の得点は【○!A】が良好で特に立幅跳の記録は男女とも有意に高かった。(2)身体概念(体の事実についての知識)身体部位12や動作語3の認知度の面接調査ー【○!A】男児の認知がやや良好だが女児は【○!B】が良好で5歳前半は有意に高かった。(3)身体像(感じられるままの体)自分の裸体の描画ー四っ切り画用紙の描画面積は【○!A】が大きく女児5歳後半は有意であった。また体の描画を7部位に得点化したが、【○!B】が良好で女児5歳前半は有意に高く、身体概念と一致した。以上のように身体活動や描画面積による情緒は【○!A】が良好で,知識の面は【○!B】がやや優れていた。 2行動特性ー自由遊びをVTRに録画した。環境によって遊びが異なるので事例をあげる。【○!A】のC園では1日9時から11時までの2時間で54種類の遊びが出現した。同じ遊びを継続するグル-プが多く,自発的な幻燈機放映と台詞読み,大型積木の基地作り、砂場のダム・川つくりであり,注意力,大胆さ,意志力,馴れ,創造性,友だち,活動性等,体育科学センタ-の全ての心理的特性に該当した。一方,【○!B】のd園では温水プ-ル,専任音楽教師の楽器指導完全給食,スク-ルバス運行が実施され,14学級460名在園だが遊具が少なく,4日間ー斉の活動前の9時から10時まで録画したが,32種類の遊びにとどまった。広告紙の紙ヒコ-キとばし,あやとり階段遊び等,幼児なりに工夫していたが単なるふざけが多かった。以上のように幼児教育は環境による教育であり【○!A】では遊びに広がりと深まりがみられた。
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Research Products
(2 results)