1991 Fiscal Year Annual Research Report
保育形態が幼児の身体意識や行動特性に及ぼす影響について
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02680124
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Research Institution | Nagasaki Prefectural Women's Junior College |
Principal Investigator |
松永 恵子 長崎県立女子短期大学, 保育科, 助教授 (60141793)
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Keywords | 保育形態 / 身体意識 / 行動特性 / 保育所 / 幼稚園 / 身体画 / 身体部位 / 運動能力 |
Research Abstract |
I.保育所の3歳〜6歳の942名を対象に、A身体意識やB行動特性の特徴を検討した。A身体画の描画得点や描画率は女児が優れていたが、描画面積は男児が大きかった。身体部位の認知は女児が良好で描画得点と一致した。動作語は「腕を振る」に対して肩から腕を振ったのは6歳前半で12%にとどまった。25m走や立ち幅跳び,ソフトボ-ル投げの記録は、身体活動量の多い男児が良好で描画面積と一致した。幼児の身体意識の特徴は、知的側面は女児が優れ、行動的側面は男児が優れていた。B保育所17か園51クラスの朝9時〜10時迄の自由な活動をVTRに録画した。運動遊びの内容を体育科学センタ-の362種類の遊びと比較した。その結果102種類(約30%)の遊びが観察された。そのうち、注意力、大胆さ、意志力、馴れ、創造性、友だち、活動性の全ての心理的特性に該当する。遊びは、砂場のダム・川づくり、砂・水運び,ブランコの二人立ちこぎ、三輪車二人のり、ボ-ルのけりっこ、おいかけっこ、なげっこ、とりっこ、キャッチボ-ル、サッカ-ごっこ、多種類の鬼ごっこの11種類(19クラス)にとどまった。幼児教育は環境による教育であるといわれるが、遊びの広がりや深まりに乏しい傾向を示した。 II.保育所と幼稚園の保育形態の相違が、身体意識や行動特性に影響を及ぼすか検討した。A身体意識では描画面積が5歳前半まで男女とも保育所児が大きく、運動能力得点と一致して心理的満足感が伺えた。しかし、25m走やソフトボ-ル投げの記録は幼稚園児良好で、立ち幅跳びの記録のみ有意に保育所児が優れ園庭面積の影響がみられた。身体部位認知は保育所児が優れ長時間保育の効果がみられた。B幼稚園6か園43クラスの遊びは116種類、7つの行動特性全て含む遊びは15種類(37クラス)みられ、幼稚園の方が遊びの多様化と心理的側面に影響を及ぼす遊びをやや多く展開していた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 松永 恵子: "幼児の身体意識の発達" 保育学年報1992年版. (1992)
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[Publications] 松永 恵子: "保育形態が幼児の行動特性に及ぼす影響" 長崎県立女子短期大学研究紀要. 40. (1992)
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[Publications] 松永 恵子: "保育形態が幼児の身体意識や行動特性に及ぼす影響" 保母養成研究年報. 10. (1992)